デジタル庁

デジタル臨時行政調査会作業部会 法制事務のデジタル化検討チーム(第3回)

概要

  • 日時:令和4年3月16日(水)16時から18時まで
  • 場所:オンライン開催
  • 議事次第:
    1.開会
    2.議事
    (1)法令のデジタル原則への適合性確認のプロセス・体制について
    (2)法制事務のデジタル化・BPR(法令のベースレジストリ整備を含む)と官民分担の在り方(リーガルテック活用を含む)について
    (3)意見交換
    3.閉会

資料

関連情報

議事録

事務局(須賀): 皆様、本日もありがとうございます。定刻となりましたので、「デジタル臨時行政調査会作業部会 法制事務のデジタル化検討チーム」第3回の会合を開会したいと思います。

進行を務めさせていただきますデジ庁参事官の須賀でございます。

本日も、各構成員には完全オンラインで御参加いただいておりますが、今回から、国立印刷局の方にオブザーバー参加をいただくこととなりました。印刷局の官報部参事の渋谷様、官報部ベースレジストリ準備グループ、グループリーダーの中野様、もしよろしければ一言御挨拶を賜れますと幸いでございます。よろしくお願いします。

国立印刷局: 国立印刷局の渋谷でございます。今回の研究会からオブザーバー参加させていただきます。
国立印刷局は、法令の公布の機能を持っております官報を内閣府からの委託に基づきインターネット配信しております。とはいえ、法令の立案だとか、内閣法制局での審査とか、国会審議において、官報の公布までの製造プロセスには、紙、アナログの部分が随分ございます。そういうものをなくして、上流から下流までデジタルで一気通貫するべきだと思っております。
私どもは、今のe-LAWSの執行部門としてやらせていただいておりますので、今回この研究会の最新のテクノロジーを使って革新的な社会状況に合うような体制がつくれるのではないかと思って、議論を楽しみしております。よろしくお願いします。

事務局(須賀): ありがとうございます。
中野様もどうぞよろしくお願いいたします。

国立印刷局: 国立印刷局の中野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
渋谷のほうからありましたけれども、今回からオブザーバー参加させていただきますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
私、国立印刷局のほうでe-LAWSと官報システムのデジタル連携といったところを担当させていただいておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

事務局(須賀): では、早速ですが、議事に移りたいと思います。
本日の議事をこれから画面に投影させていただきます。議事の一つ目、「法令のデジタル原則への適合性確認のプロセス・体制について」ということで、前回も既に御議論をいただいたところですが、そのお話を踏まえまして、今回は作業部会本体への具体的な報告内容はこんな形でいかがでしょうかということで御議論いただきたいと思いますので、まずは事務局の柳生企画官より、10分程度説明をさせていただきます。お願いします。

事務局(柳生): 事務局の柳生です。よろしくお願いいたします。
適合性確認のプロセス・体制についてということで、第2回目、前回お示しした資料が最初のほうにございますけれども、一回振り返りで、5ページを映していただければと思います。
論点として、事前に具体的な指針を設けておくべきではないのかというのが論点①、実際にルールをつくる際に、制度化、プロセス化をしていくということが必要ではないのかというのが論点②、実際に執行段階におけるためのプロセスとして関係者との調整を組み込んでいくことが必要ではないのかといったものを論点③として提示させていただいたところでございますので、今日はこれに沿った形でもう少し論点を深掘ってみたものを御説明させていただきたいと思います。
早速になりますが、7ページに行っていただきまして、論点①、事前に具体的な指針を示しておくべきではないのかというところについての資料になります。
実際に指針をつくる場合につきましては、誰がつくるのかというところでございますけれども、一つ目の○、必ずしも各省庁の政策担当者が技術動向を把握しておくことはなかなかできないだろうということでございます。実際に技術動向が頻繁に変わっていくことも考えますと、そこはデジタル庁がしっかり策定して、かつ、改定、メンテナンスをしていくことが適当ではないかと考えられるのではないかということを書かせていただいてございます。
実際、作業部会におきまして、見直しの類型化・フェーズといったものを議論していただいているところでございますし、さらに、民間企業の方々からいろいろな技術のヒアリング等をしていただいていますけれども、そこで技術マッピングのようなものを整理していくことが必要ではないかといったことが議論されてございますけれども、そういったもの自体が指針になっていく端緒になるのではないかと考えているところでございます。
三つ目の○のところになりますが、一方、指針をつくる場合につきましては、技術動向を把握しなければいけないことになりますので、様々な有識者の知見を活用しなければいけないということもございますし、国民等、経済界も含めた方々の要望を踏まえて策定していくことが求められてくるということになります。
さらに、各省が実際に政策を立案していく際の指針になっていくものでございますので、デジタル庁内部だけの検討ではなくて、公の場、広く開かれた場で議論していく、第三者的な場も含めて議論していくことが必要なのではないかということを書かせていただいてございます。これらが実際の指針に関するところでございます。
次は論点②で、新規法令等の確認についての深掘りになります。最初の二つは、これまで御説明させていただいたところで割愛いたします。
三つ目の○のところになります。実際、新規法令をつくる際の確認について、どうやっていくのがいいのかというところでございます。これにつきましては、先ほどの指針と同様ですけれども、各省の担当者が技術動向を踏まえることがなかなか困難であるということを考えますと、これも同様にデジタル庁が広く関与していくことが必要ではないかと考えられるのではないかというところでございます。
ただ、一方で、通知、通達といったものまで含めて考えていくことになりますと、かなり膨大な数に上っていきますので、デジタル庁が本当に単独で見切れるのかというところもございますので、そういったことを考えますと、デジタル庁がより注力していく場面を考えていく必要があるのではないのかということで、特に閣議決定によって定めていくということになります法律案や政令についてデジタル庁が注力するべきではないかと考えられるということを書かせていただいております。
一番下の○になりますが、それ以外の省令以下につきましては、先ほど御説明いたしました指針に基づきまして各省庁が主体的に確認していくといったプロセスを踏むことが一つの考え方としてあるのではないかということを示させていただいているところでございます。
次のページですが、新規法令の確認についての続きになります。実際、どのようなタイミングで確認をしていくのかといったところでございます。法律案や政令につきましては、まさにデジタル庁が注力していくということになります。一方で、これについては最終局面、ほぼ案が固まった段階で確認をすることになりますと、手戻りを含めてかなり労力がかかってしまうということでございますので、案を考えている段階、企画立案の最中に入っていくことが重要であろうと考えているところでございます。
ですので、資料に書かせていただいてございますけれども、内閣法制局による予備審査ということで、法律案、政令案といったものは、内閣法制局で条文審査される前に、デジタル庁において確認を行う。政策としてどういうことをしていくのか、したいのかということをデジタル庁と確認していくといった段階を踏むのが適当ではないかということで書かせていただいてございます。
省令以下につきましては、先ほど御説明させていただきましたが、基本的には各省庁を主体として確認していただくことになりますので、それにつきましては各省庁の中での政策部局ではない官房部局、取りまとめ部局によって、省令等を決定する前に確認を行うべきではないかと書かせていただいているところでございます。ここまでが新規法令の話でございます。
次は、既存法令の見直しというところになります。既存法令につきましては、理論上、整理上という格好になりますけれども、新規法令という段階で一度全て見直しが入ることになってございますし、実際に存在している法令につきましても、今、作業部会を中心に見直し・点検をしていただいてございますけれども、一度見直ししてあるところでございますので、そういったものを改めて見直すというところを考えてみますと、デジタル庁によって確認していくといったプロセスが適当ではないかということで、デジタル庁により既存の法令の見直しを行うことが適当ではないかということを書かせていただいているところでございます。
一番下の○のところは赤の点線で囲わせていただいてございますけれども、特に御意見、御知見をいただければと考えているところでございます。実際に点検・見直しを行う場面として、どういったきっかけでやっていくのが適当であろうかということで、いろいろ御知見を賜ればということで囲わせていただいているところでございます。
考えられるところとしては、デジタル技術が進展していくことで、技術進展等を踏まえて行っていくことがあるのではないか。さらには、国民や経済界の要望、どういったことをやってもらいたいのかといった要望を受け付けてやっていくこともある。さらには、定期的に省令等を各省にチェックしていただくといった立て付け、新規法令等の確認を各省にやっていただくことを想定しての場合になりますけれども、そういった場合についてはそのフォローアップを通じたような、定期的にやるといったことがあるのではないのかということで、いろいろなパターンがあり得るのかなと考えてございまして、これの組合せになるのかもしれませんけれども、どのようなタイミングで既存法令の見直しをしていくのかということがあり得るか、御知見を賜ればということで書かせていただいているものでございます。
次のページをおめくりいただければ。既存法令等の点検の続きになりますけれども、これにつきましても、先ほどの指針のところと同様になりますけれども、デジタル技術の進展とか国民等の方々からの要望を踏まえてやっていくということを考えてみますと、それはデジタル庁の中だけでやるものではなくて、ある程度公の場による議論も踏まえてやっていくことが必要なのではないか。
現在は、デジタル臨調の作業部会で公にしながらやっているところでございますので、そういった場の設定についても、見直しを実効的にあらしめるためには必要なものではないかということで書かせていただいているものでございます。実際に、それで既存法令の見直しになった場合については、一括的な対応もあるのではないかと考えているところでございます。
次に12ページ目、論点③ということで、最後は執行段階に向けてのプロセスというところの論点について書かせていただいているところでございます。
これにつきましては、前回御説明させていただいたところの焼き直しになりますけれども、最後の○を御覧いただければと思いますが、デジタル庁で定めております、情報システムの整備に関する方針といったものとか、いろいろなものがありますけれども、先ほど御説明させていただきました具体的な指針の中で、実際に定めた法令に従ってどのようにやっていくのか、今後、執行段階に向けて、体制をつくったり、システムをつくったりといったものについて、どういうふうに関係者が役割分担をしていくのかといったことについて、しっかりとプロセスとして書き込んでいくべきではないかということで書かせていただいているものが論点③になります。これが、前回御覧いただいたものについて、もう少し肉づけをしてみたというところの御説明になります。
続きまして、13ページ目に、取りあえずの仮案でまず一回絵を引いてみたところになりますけれども、工程案を書かせていただいているものになります。これも赤の点線で囲っているところでございますけれども、デジタル原則への適合性確認につきまして、今既存のものはやっていただいているところでございますけれども、特に新規のものについては新しく始める取組でございますので、すべからくやっていくところもなかなか難しい点があると考えているところでございまして、新規法令等の確認を行うに際して、特にデジタル庁が注力して行うと言っていた法律案とか政令のうち、さらにその中で特に重要だと考えられる法律案の確認を先行して行っていくということで、ある種アジャイル的に始めてみたらどうかということで書かせていただいているものになります。
実際に、法律案についてもアジャイル的に始めるということにつきまして、全ての法律案をするというよりも、ある程度デジタル庁が関与すべきものに注力していくといったような取捨選択をして、徐々に始めていくことも一つの選択肢かと考えているところでございますけれども、そこについて御意見等をいただければと考えているところでございます。
下の表はある程度の工程的なイメージを書かせていただいているところでございますけれども、大枠については夏ぐらいまでに決めていく。実際にどうやっていくのかといった細かい手順については年内ぐらいに固めていく。それをやるために、デジタル庁が中心になると思いますけれども、その体制をしっかりつくっていくということをした上で、令和5年度から新規確認のプロセスを特に法令を中心にやっていくことができないかと考えているということでございます。
ですので、取りあえずの案として置かせていただいていますけれども、令和6年度常会提出法案の中から抽出する形で、新規法令の確認プロセスをまず始めてみたらどうかということで、この工程表を案ということで書かせていただいているものになります。
駆け足になりまして大変恐縮ですけれども、適合性確認のプロセス・体制についての説明は以上になります。

事務局(須賀): ありがとうございました。
質疑応答や意見交換の時間は議事の最後にまとめて取らせていただきたいと思いますので、続きまして議事の2つ目に移らせていただきます。
「法制事務のデジタル化・BPRと官民分担の在り方」について、まずは事務局より10分程度、資料の説明をさせていただいた後に、構成員の皆様からの御提案について藤原構成員からお話しいただくという順番で進めたいと思います。
まず、大久保さん、お願いいたします。

事務局(大久保): デジタル庁の大久保でございます。
私からは、資料1「法制事務のデジタル化について」ということで御説明いたします。こちらの資料ですけれども、前回、第2回の検討チームにおきましてe-LAWSのデータ整備の取組の御紹介がございまして、こちらについて構成員の皆様から御議論いただいたところでございますので、その第2回で出ました論点について簡単にサマリーをしたような資料になっております。
次のページに行っていただきまして、こちらは第2回の資料でも出てきました令和4年度からのe-LAWSのデータ更新の流れの図になります。法務省、国立印刷局の協力も得まして、官報で公布される前の原稿案の段階、特に法律については国会提出原稿の段階から、官報印刷工程で準備をされていく公布法令を、e-LAWSの構造化されたXML形式のデータに変換していく。さらに、これを用いまして、法務省のほうで溶込条文の作成の準備を始めることを通じて、現在、e-LAWS、e-Govに作成されるデータの公開が、場合によっては数か月かかっているところを迅速化していく、より正確なデータをつくっていくということで、一定の改善が見込まれるということで報告があったものでございます。そちらの内容について、さらに第2回の場で構成員の皆様に御議論いただいたものを論点としてサマリーして、オーバーレイしたような資料になります。
一つ一つの論点を記載しておりますけれども、まず①として、人手によるデータ変換ができるだけ介在しないほうが望ましいということです。具体的には、赤字で書いている部分、公布法令をXMLに変換するという部分ですけれども、こちらはどうしても本体というものが官報公布のために紙で印刷されるものを組版していくようなデータから、そこからデータ変換を人手も含めてやっていく部分になりますので、そのデータを公開するための作業の早期化ないし正確性という意味では、できるだけデータ変換に人手が介在しないほうが望ましいのではないかといった御意見があったかと思います。
さらに言えば、こうした公布法令は、改め文の形で一部改正法については書かれますので、そちらは実際にe-Govで公開をするために、溶込条文を作っていくといったところですけれども、こちらもかなりの程度、人手をかけて溶込条文を作っていくという工程になりますので、論点の②及び③として、こういった改め文が自動で溶け込むということはできないか。あるいは、もともと改正後の条文の姿から改め文を自動生成すればいいのではないかといった御指摘もあったところかと思います。
また、こういった論点②、③を敷衍していきますと、そもそも現在、ワープロファイルで改め文という形で案文を書かれておりますけれども、元から改正後の条文そのものを何らか構造化されたデータの形で書けばいいのではないかといったところまで議論が発展したと認識しており、こちらを論点④として記載しています。
次のページですけれども、今、サマリーさせていただいたそれぞれの論点について簡単に展開したものになります。まず論点①として、官報の印刷されるデータから、構造化XMLデータの変換もなるべく人手が介在しないほうが望ましいというところですけれども、現状、正本はあくまで紙で公布される官報、あるいはその官報を準備するための原稿になりますので、こういったところに関しては、官報のデジタル化という流れも踏まえて、官報の法令に係るデータ形式、準備するデータ形式をe-LAWSの構造化されたXMLデータとできるだけデータ形式を統一していくことを目指してはどうかと考えられるかと思います。
そういったことに際しては、令和4年度から、実際にe-LAWSのデータ整備運用ということで本格的な協力が始まってまいりますので、そういった運用も踏まえて、ここのデータ共通化の可能性を検討することが考えられるのではないかと認識しております。
次に、論点②及び③、改正後の条文と改め文の相互の変換、あるいは自動生成というところですけれども、こちらについては重要なポイントとしては、現状、改め文の表記とか論理構造には、実は自動化が難しい複雑なパターンが存在しているということの認識は非常に重要ではないかと思っております。
改め文は、基本的には古い条文から新しい条文を生み出すというものでございますけれども、実際には、単純に新旧の条文の差分だけではなくて、その変わり方、例えば別表、表の一部の改正とか、あるいは準用などといった条件が付されるような改正、または施行日が複雑に分かれていて、場合によっては一部改正をもう一度一部改正をして複雑な施行日の順序を表現するといったことも、改め文の一種の利点、機能として、改正がなされている部分でありますので、そういったことを構造化データないし自動化を考えていくに当たっては、これまで積み上げられてきた改正手法とか改め方をきちっと整理をして、場合によっては統一といったことも含めて検討していくといった実態調査のようなものがまずは必要なのではないかと考えております。
さらに、この論点を敷衍していって出てくる④ですけれども、もともと改正後の条文そのものを書けばいいのではないかという点です。こちらは、まずは大きなポイントとしては、制度的に現状、一部改正をする場合は改め文自体が法令ということで、公布、審議の対象は改め文となっておりますので、こういった制度とももちろん関係してきますし、また、そういったことを技術的に実証できるのか。先ほど申し上げたような、単純な条文の差分だけではない、変わり方、あるいは変わり方のロジックも含めて改正後の条文を書いていく、そういったエディターないし構造化のデータの在り方を構想していくということが技術的な観点でも必要なのではないか。
そういったことを検討していくためには、場合によっては単純な改正などをサンプルとしてPoC、概念を実証していくような、少し抽象的なレベルでのステップがまずは必要なのでないかということをこちらでお示ししているものでございます。
資料2については、簡単ではございますけれども、私からは以上になります。

事務局(須賀): ありがとうございました。
続きまして、藤原構成員から、構成員からの御提案ということで、10分程度、御説明をお願いいたします。

藤原構成員: 藤原でございます。
私のほうからは、構成員の提案の内容を御説明させていただきます。
こちらの提案ですけれども、前回の会議の議論を踏まえたものだけではなくて、その後、2週間ぐらいあったと思うので、その間にオンラインベースで構成員間で議論した内容を盛り込みました。ただ、時間もすごく限られているので、大分多くの部分が今後の検討事項になっているのと、あと皆様、構成員で本当は入れたかったけれども、入れ切れていないものがあると思うので、ぜひこの後、議論の際にお話しいただければと思っております。
では、内容に入っていきます。
まず、問題の所在です。ここは今の大久保様のお話とほとんどかぶっていると思うので、簡単にいきます。そもそも法令の最新条文データベースはありませんでしたよねと。これが何でそうなったかというと、改め文というのは分かりにくいし、これをつくるのは大変だけれども、つくるのが大変だけではなくて、それを最終的に溶け込ませるのがすごく大変であるというところもあって、それでタイムラグができていましたよねというところが問題だったので、この辺りをどうやったら変えられるかというところですけれども、基本的にはシステム化という話ではあるのですが、まずデータの在り方を見直すこととワークフローを見直す、この二つが重要だろうと思っているので、そういう問題意識で提案が何かできないかということを考えたということになります。
次のページをお願いします。
その際のコンセプトですけれども、もちろん目標としては、国民の皆様が使いやすい形式・内容の法令のデジタルデータをタイムリーに提供できるようにするにはどうしましょうという大きなところですが、この目標達成のための考え方を一旦整理してみました。
一つ目は、当然ですけれども、伝統的な考え方からすると、タイムリーにやるといったらすごく人数をかけてみんなで頑張るということになるのですけれども、これは官公庁の皆様が死んでしまうつらいことになってしまうので、そういうのはやめて、基本的にデジタル/ITの活用によってやりましょうというのがまず1点です。
ただ、活用方法ですけれども、これはちまたではやっているDXあるあるですが、今ある作業とか手順をそのままシステム化するとうまくいくかというと、全然そんなことはなくて、より大変になったり、使われないシステムができたりすることになるので、ここは人間とコンピューターの役割分担の最適化をすべきでしょうと。まずワークフローを見直して、今ある手順が正しいのか、本当は順番を変えたり、違う作業方法をしたほうがいいのではないかと。
どういうふうに考えるかというと、なるべくデジタル/ITを効率的に使えるように考えましょうということです。その結果として、人間による作業、特に単純作業を減らして、そうすると皆さんがより実質的なことに集中できるようになりますので、そういうことを目指しましょうということを考えています。
さらに、紙ベース前提の制度、今まで紙ベースのものだったのは当然なので、それを見直すことになるのですけれども、これも結局、今の紙をデータ化してPDFにして乗せますという話ではなくて、それはHTMLでも同じなのですけれども、形式を維持するという話ではなくて、趣旨に立ち返って、実質的に同じことをやろうと思ったらどうなりますかねということを考えるべきではないかと思ったということです。
以上が基本的なコンセプトになります。
次のページをお願いします。
今のコンセプトに基づいて現時点で我々が考えている提案の骨子ですけれども、結論は三つあります。
一つ目は、先ほどの大久保様の資料でも出てきたようなお話ですけれども、基本的には成立後・改正後の溶け込ませ後の条文データを常に直接編集したほうがいいでしょうということです。なぜかというと、現状の自然言語処理技術の能力を考えたときに、改め文なのか、その他の方法なのは別として、改正法案のこう変わりますという内容を直接溶け込ませるシステムはかなり難易度が高そうである。そうすると、必ず人手が入ってくるわけで、それは必ずタイムラグになってしまうので、ここは人間が直接、最後の出来上がったものをつくったほうがいいのではないかという考えに基づいています。
二つ目ですけれども、それはそれとして、出来上がりだけ見ていても、差分がないと人間には何が変わるか分からないので、必ず改正法案というのは何がどう変わりますと書いてある必要があるわけですけれども、その形式についても、人間が読んで分かりやすいということに加えて、作成が大変ではなくて、しかも、必要な情報の表現可能性は重要で、先ほどの大久保様のお話にもありましたけれども、改め文はよくよく研究していくと単純な差分とは限らない、いろいろな条件が入ったりするので、その辺りをちゃんと表現できるようなものでなければいけないと思っています。
三つ目ですけれども、そういう改正法案の形式をこれから考えるのですけれども、なるべく自動化したいと思っています。条文データをつくって、現状と改正後があれば、差分から、例えば今でも、ワードファイルが二つあって、変更履歴を自動的に比較して出すというのはできるのですけれども、恐らくそれでちゃんとしたものができる可能性は現状ではないと私は思っていまして、これも自然言語処理技術の限界だと思うのです。必ず人間の補助作業が必要かなと思っています。それを含めて、システムでやるのだけれども、人間が補助作業をやるということをやれば、ある程度いい感じにできるのではないかと思っているので、これが三つ目の提案になります。
下に幾つか備考を書いているのですけれども、一つは、こういうことをやろうと思うと、実は条文データの構造化が大変重要で、そういう意味では結論に書くか迷ったのですけれども、この提案はプロセスのほうに重点を置こうと思ったので、あえて前提に書いているのですが、XMLのフォーマットをすごくきれいに構造化すると、目標の半分とは言わないけれども、大分大きいところは達成できるはずで、ここはすごくちゃんと考えなければいけないと思っています。
2番目ですけれども、法案の形式は、新旧対照表がいいのか、改め文を維持するのか、なくすのかみたいな議論をごちゃごちゃした結果、現状では結論を出していないのです。なぜかというと、新旧対照表というのは読み手にとってすごく分かりやすいのですけれども、先ほど申し上げたとおり、それだけでは全部出せない。特に施行日辺りの条件が難しいので、それをどうやって入れていくかというのは真剣に考えなければいけないので、もうちょっと考えましょうと思っているところになります。
三つ目ですけれども、こういった条文を直接つくって、差分を自動でして、ちょっと調整すると言っているわけですけれども、これはそれこそ既存のワードでつくれます、一太郎でつくれますという話に多分ならないので、これはこういうエディターをつくるしかないのかなと思っています。
もう一つのポイントとしては、1番目の直接編集と最後の差分をつくるところですけれども、これを、先に全部条文データをつくって、最後に差分をよっこらしょと作ることにすると、そこもタイムラグになる可能性があるので、できれば、それを例えば左右で並べて作業ができて、その場で直せて出来上がるみたいなエディターをつくると、よりタイムラグが減るのかなと思っているので、同時に行われる可能性があるというのはそういうことを意図して書いています。
以上が提案の骨子になります。
次のページをお願いします。
今後の調査・検討事項で、膨大に残っていることがすぐに分かるのですけれども、一個一個お話ししていきます。
先ほども話しました条文データのフォーマットはすごく重要かなと思っています。最初のところで、施行日、附則、云々かんぬんと、順不同でたくさん羅列しているのですけれども、ここにあるものについては基本的に2種類のポイントがあって、施行日とか、附則とか、条文の形式、横書きへの移行、あとは別表ぐらいは、いかに機械的にきれいに差分をつくれるかとか、いかに改正法案を使いやすくするか、今日話している提案の観点で重要なものがその辺りということになります。施行日の辺りは、改正が発生する順番が入れ替わったり、いろいろな問題が起きるので、かなり重要なので、ここら辺をどういうふうにデータを持たせるかというのはかなり重要というのが、その下に書いてある割り込み施行とかの話ですね。
ちょっと聞いていると、改正法をつくるときに、一つの法律の条文だけをいじればいいものは実はすごく少なくて、大体二つ以上の法律に関係しているもののほうが圧倒的に多いという話を聞きまして、だとすると、こういう辺りはちゃんと最初は考えなければいけない。
この手のDXで、全部の場合を全部デジタル化しようとする、IT化しようとすると、大体無理で、本当に例外的な部分は人に落とすということを必ずしなければいけないのですけれども、本件について言うと、複数法令の同時改正は例外ではなくて、むしろ原則に近いと理解しているので、それができるものにしなければいけないと思っています。
戻りますが、個別の論点のうちもう一つの固まり、定義語とか委任関係、準用条文という辺りは、どちらかというと使いやすさの問題で、今回の提案の中ではあまりメインに置いていないのですけれども、例えば法令の中での定義語は、法律の真ん中あたりにぽこっと出てきて、特定の章だけ適用されたり、かなり難しい、見落としやすいものがあるのですけれども、それはもともと決まっていて、誰が読むときも絶対に同じなので、そういうのはフラグを立てて分かるようにしてほしいとか、委任関係も、政令に委任するという、その政令は何なのだろうとたどっていくのは結構大変で、もちろん世の中にはそういうのをたどれるようなサービスを既に提供していただいている業者さんがいらっしゃることは理解していますけれども、そもそも決まっているのだから、そこまでは国のほうで準備してもいいのではないかと思っている。そういった分かりやすさのためのポイントもデータのフォーマットに関係しているので、そこも考えたほうがいいかなと思っているということです。それが一つ目の条文データのフォーマットの話です。
続いて、改正法案のフォーマットについては、もう大分話してしまったので繰り返しになるのですけれども、改め文というのが使われていて、これは紙ベースだとすごく優秀で、文字数が少なくて、論理的なことを全部書けて、すごいのだなということは考えれば考えるほどすごくよく分かるのですけれども、デジタルデータになると、文字数は重要ではなくて、論理的に書くというところも、実は論理的に書くだけだったら、デジタル的に書いて、コンピューターが分かるように論理を書いてあればいいのではないかという考えもあり得ると思うので、そういう意味で、紙ベースのときにすごく重要だったポイントは結構失われている面がある。もちろん全部ではないので、維持される可能性もあるとは思いますけれども、そういう論点があるのかなと思っています。
一方、大体一緒につくられている新旧対照表、これ自体は法案ではないという理解なのですけれども、これは分かりやすいのですが、施行日とか、経過規定とか、複雑なところは出しづらいところがあるので、改正法案は全部新旧対照表にしましょうというのは何となくこのままではワークしないような気もするということなので、これをどうやったら両方を同時に達成できるかというのはこれから考えなければいけないと思います。
もしかすると、全然違う形式という可能性もゼロではないと思いますが、あまりない気もしますが、いずれにせよ、形式はかなり考えた上で決めなければいけなくて、あとは、ここに書いていないですけれども、コンピューターが自動生成しやすい形式をある程度許してもらうというか、今までこういう表だったのだから、表の形は今までどおりでこうしてくれみたいなのは、自動生成の容易さを考えてできれば少し妥協して欲しいという話もあるかなと思っていまして、そういうところを考えなければいけないかなと思っています。
3番目の官報のフォーマットの話ですが、これは基本的には改正法案はデジタル化に合わせて出すということで、現状はデジタル化したPDFのものを出していただいて、それはそれで便利だと思うのですけれども、PDFというのは検索性という意味であまりよくない面もいろいろありますので、やはり検索しやすい形で、どうせXMLをつくるのだったらXMLを直接出してみたり,そういうことをするのと、あとはRule as Codeというのは、すぐにできる話ではないと思いますけれども、法令の条文の中身が実はもうプログラム化されて、これを走らせると分かりますということになる時代も、近いかどうかは分かりませんが、将来あり得なくはないと思っていますので、そういうことをしようと思ったときに、また一からやり直しましょうみたいにならないようにはしたほうがいいのかなと思っていますので、そういうことを書いております。
以上三つがフォーマットの話で、フォーマットを考えると大分論点が終わるかなと思っているのですが、四つ目のところはちょっと違った観点の話で、自動化の難易度です。この点はもう何度も繰り返しているのですけれども、コンピューターが得意なところ、できるところと、不得意なところがあって、そういう意味では人間がやる部分があるのですけれども、どこをどういうふうに自動化すると人間の作業が減るかというのは自動化する場所によって全然違うので、それを常にシステム化するときには、ここはコンピューターは得意だからやらせましょう、ここは苦手だからやめましょうということを考えていかなければいけないと思っています。
次の点も似たような話ですけれども、これもよくあるのですが、特にその業界というか、作業とか、その分野に精通している人は、こういう難しい場合があってこれがやばいのですみたいなことをすごく言うのですけれども、それが年に一回しかなかったりすると、そこをすごく頑張ってシステム化しても全く時間は減らないみたいなことが起こるのですね。これは単純作業でたくさんの人がやっているところをなるべく削るほうがいいと思っているので、順番を入れ替えてシステム化したときにこれは正しいのかというのはそういう観点から見なければいけないということかと思います。
最後に、以上のことを考えるのですけれども、ほかの国でも同じようなことを絶対に考えていて、それこそ韓国なんかは結構進んでいると理解しているのですけれども、そういったものを参考にする必要があると思いますので、諸外国における実態調査は必要かなと。
日本語の特殊性というのがあって、欧米語圏はスペースでちゃんと単語が分かれて楽だなというのはあるのですけれども、残念ながらそうなっていないので、参考にできない面もあるとは思いますが、それでも参考になると思いますので、そういう調査をしなければいけないと思っています。
私のほうは以上になります。ありがとうございました。

事務局(須賀): どうもありがとうございました。
今ちょうど言及いただきましたけれども、前回、少し御相談させていただきました諸外国の法制事務のデジタル化に関する事例調査のほうも、ぎょうせいさんに委託をさせていただきまして、資料4にお示ししたような形で今後調査をしていきたいと思っております。今、お示しいただいたような論点の判断の参考にこういった制度を参照していくことができたらと思っております。どこかでまた中間報告をさせていただきたいと思ってございます。
それでは、議事(1)、(2)につきまして、充実のプレゼンテーションが続きましたけれども、質疑応答や意見交換の時間を最大80分程度設けたいと思いますので、御質問、御意見がある方は挙手をいただければと思います。
角田先生、お願いいたします。

角田構成員: 質問というか、最後の藤原先生のお話の中に、この会議の準備や検討の中で私が見落としてしまったことがありましたので、確認させて下さい。
法令データのフォーマットの話です。例えばe-LAWSでももう既に取り入れられているフォーマットで、XMLスキーマとして公表されてから何年も経っているものがありますが、それは実は法務省の法令英訳システムと同じような形になっていて、これは我々が10年以上提供してきている全国の条例データベースのシステムとか、そういうものとも互換になるような形でうまくつくられています。しかも、Akoma Ntoso という法令データの世界標準になりつつある形式に対しても、タグの名前をつけ替えたりするなどの多少手を加える必要はあるのですが、基本的に互換になることが既に分かっています。そこで、法令のデータフォーマットをつくるときに、ここで全く新しいものをぽんとつくってしまって、これまでの世界標準とかそういった流れと異なるものにしてしまうと、かえっていろいろな局面でデータ交換をしにくくなりますので、そこのところを、藤原先生のお考えとか他の構成員の方々のお考えと齟齬がないのであれば、つけ加えさせていただきたいと思いました。これが確認させていただきたいひとつめの点です。
もう一点、同じくデータフォーマットのことですが、事前の検討作業の中で、改め文をつくる際に、複合語みたいなものがあったときに単語の認識をどこまで取るかという問題がありました。これは、単純な形態素解析のやり方だと、ぶつぶつ単語ごとに切り分けてしまうので、一つの意味のつながりがある複合語や法令名が分かれてしまうという問題です。それをなくすためには、例えば、タグを入れておけばいいのではないかというご提案も出されていたように思います。そこで、必要に応じて形態素などを認識しやすいようなタグを考えておくのか、あるいは、考えないとするなら、ここでの課題として、どこかに法令用語辞書みたいな形で法令については使えるものを別途作成しておくとか、そういう工夫も要るのかなと思いました。その辺がもし含まれているのであれば、それも加えてこの2点が、藤原先生のお話への質問、確認というか、お考えを伺いたいと思いました。
以上です。

藤原構成員: 僕が質問に答える立場なのかもよく分からないところがあるのですけれども、先生がおっしゃっているとおり、現状、e-Govに出ているデータのフォーマット自体を完全に変えなければいけないと強く思っているわけではなくて、ただ、今のままで全部カバーされてはないのかなとも思っていまして、そういう意味では、大きく変えなければいけないというふうには特に思っていません。
当然、互換性はすごく重要ですし、今あるものを変えてしまうと既存のものが使えなくなってしまうので、そういう意味での互換性もかなり重要だと思っていますので、ここは当然配慮する前提です。そこまで書いていませんけれども、それはそういうつもりでした。
単語の辺りもまさにおっしゃるとおりの議論を別途我々の間でしていて、タグづけして、この単語はこれで1個だから、例えば法令名とか法令名を切ってはいけないとかいう場合に、それは新しいそういうタグをつくって対応するみたいな話もあると思うのですけれども、全部の単語を完全に、シソーラスを完全につくってタグづけをするのは困難というか、無理のあるところもあって、そこは最後は手作業が残ると思ったというのが一つでして、そういう意味では、エディターを見ながら、こうではないのだよねと思ったときにその場で直せるという作業が必要になるかなと、今のところは思っているというところです。

角田構成員: なるほど。そこが、手作業が入るところの一つであるのですね。

藤原構成員: 一部はそうなるかなと。全部完璧に行くのは無理で、これはむしろエンジニアの皆さんに聞きたいところですけれども、結構厳しいという印象があって、無理だろうなと思っています。

角田構成員: そのとおりだと思います。ですから、この中に入れ込むのだったら面倒くさいことになるだろうなと思ったので、藤原先生のお考えと一致していると思います。確認でした。失礼しました。

事務局(須賀): とんでもないです。ありがとうございます。
エンジニアチームの皆様にも呼び声がありましたけれども、何か追加でいただけるコメントはございますでしょうか。
八木田さん、いかがですか。

八木田構成員: ありがとうございます。
まずおっしゃっていただいた角田先生の御懸念みたいなところはまさにそのとおりかなと思いまして、基本的に条文データのフォーマットみたいなところ、既に存在しているものを大きく変える必要は必ずしもないかもしれないのですが、足りないデータがある場合、また別のXMLみたいなものを用意して、様々な条文の表現が得られるようなデータをトータルとして持っておかなければいけないかなとは思っています。つまり、既存のデータはそのままでいいけれども、プラスで何か持つ必要があるかもしれない。そのプラスになるデータがどんなものとなるかは、そもそも条文がどのように表示されるか、編集されるかなどのユースケースを探ることで、決めていく必要があるかなと。そういう趣旨に取りました。
後段でおっしゃっていただきましたアノテーションといいますか、タグづけみたいなところの認識は同じでして、結構大変そうだなという感覚です。
ですので、アウトプットイメージというか、どこまで目指すかというところもあると思うのですけれども、完璧にやろうとすると人手は確実に入るかなという所感です。
以上になります。

事務局(須賀): ありがとうございます。
角田先生から、「いいね」マークが途中で出ておりました。
安野さん、いかがですか。

安野構成員: ありがとうございます。なぜかビデオが故障しており、サウンドオンリーですみません。
角田先生がおっしゃっていた新しいXML形式をつくらないほうがいいのではないのかというのは私も完全に賛成で、既存のXMLの形式があると思うので、それを一部拡張するような形なのかなと勝手に考えておりました。
拡張したほうがいいポイントは幾つかあるかなと思っていて、例えば先ほど藤原先生がおっしゃっていたような、この条文を指しているみたいな対応関係を入れるとか、施行日のメタデータをつけるみたいなのは、今あるものの邪魔にならない形で拡張できそうだなと思いましたし、うまくつくれば、拡張形式から、もともとある形式で不要なタグを取り除くみたいなのは機械的な処理でできるように組むことができそうだなと思っております。
後段にあった、完全に人手を排することができるのかというところで言うと、○○を準用するみたいなところはかなり難しいそうだなという気はしておりまして、機械的にできる部分があるとは思っていますけれども、100%ではないというのは完全に同意です。

事務局(須賀): ありがとうございます。
堀口さんはいかがでしょうか。

堀口構成員: 今回御指摘いただいて、私は技術的な詳細については不案内なところもございますけれども、従前、あらゆるXMLデータの使用、またこれに伴って運用されてきた実務上のシステムというのも多数あると聞いております。こういったシステムは民間システムの中にもあると聞いております。
こういったシステムがどのように運用されてきているのかといった背景なども踏まえて、デジタル化に当たって、現状のXMLのフォーマットを維持するべきかどうか、あるいは追加的に何か工夫できる余地があるのかどうかといった観点の調査が継続的に必要なのではないかと考えてございます。

事務局(須賀): ありがとうございます。
ヒアリングのアレンジもしていただいてありがとうございます。また、角田先生から「いいね」マークをいただきました。
米田先生、もし御感想、コメントなどをいただけるようでしたら。

米田構成員: 米田です。
事前の議論にあまり参加していなくて失礼しました。方向性とか技術については、反対することは一つもなく、頑張ってデジタル化していこうというのが大きなところです。
ただ、僕は社会学をやっているのですごく関心を持つのは、こういったデジタルを導入したときに人間が受ける影響の部分で、それを考えると、求められる能力が変わってくるところをどういうふうにケアしていくかということが重要かなと思っています。
今のところ、今まで使っているものを前提にして、なるべく近づけていきましょうというのがあるけれども、やはりデジタルの特性があって限界がある。その部分で、でもやはりデジタルにしなければいけないということが起こったときに、何が起こるかというと、最も僕が恐れるのは法令を書く能力が下がる。作文能力が下がるという危惧をすごく持っています。
例えば、改め文をつくっているということは、どの用語をどの用語に置き換えるということについて、そのプロセスで現場で検討するときに、すごくきめの細かいところまで、そのノウハウというか、政策を作る際の考え方や他の制度との関係などを伝えるという教育が行われていると思うのです。その場面で、その一つ一つの法令の言葉の解釈についてや、他の法律や政策との関係が伝えられるので、ようやく今の法令作成能力があると。それも昔に比べるとという先輩方の言い方を引き受けてしまうと、日常的なデジタル化の進行もあって、言葉一つ一つに対する解釈とか、様々な関係への気遣いが十分に及ばなくて、ネットコピペしてやればいいのではないかみたいなことをやって、この間みたいな、この検討のきっかけになるような事故が起こるわけですよね。そこのところが起こらないようにするということに対しての配慮ということも大変重要だと僕は思っています。
それは、今までの官僚の皆さんがどうやって法令を書く能力を身につけてきたかということに影響を与えるので、今度新しいシステムを入れたときに、いい法令をきちんと書き込んでいけるようなシステム、ある種チェックできるシステムですよね。何度もチェックできたり、ほかの人と議論できたりするような。そういう意味では、全然効率化にならないかもしれないという危惧もちょっと持っているのですけれども、その部分も十分に配慮していく必要はあるのだろうと思っています。
ただ、デジタル化の抵抗勢力は大体そこを大げさに言うわけです。恐らく事実として、求められる能力や感覚が変わるというのがあるのだと思うのですけれど。そこで、これをどうやって巻き込んで、システムを入れたほうがいいよというふうに言っていけるか。これだけ役に立つよということをアピールできるかというところを説明できるか。今回の場合は技術的な側面の話が多いので、その分のアピールの議論がまだできていないなという感じがします。使う人にとって役に立つということをどう伝えるか。
今、角田先生がつくったものを発信していて、僕は直接ユーザーからの声を聞く立場にいるのですけれども、僕らが使ってほしいと思ったところはあまり使っていなくて、現場の方々は皆さんちょっと観点が違うのですね。そこのところの違いは、ここのところを便利にしたぞと思ったところとそうでないところのギャップを早い段階でキャッチアップして、みんなにやってもらいつつ、なおかつ、今我々が持っている法令の立案・解釈能力を下げずに、また、下がったという誤解を生まないようにやっていく必要がある。
気になるのは、新旧対照表をやっていくと、直接どんどん作文していけるのですね。全く関係のない内容で同じ条文を書くとか、つながりのない条文をどんどん上書きしていけるのです。でも、改め文をやると、この言葉をこの言葉に替えるという議論になるので、必ずそこで解釈の問題が発生するのです。そういう教育効果がこの中に含まれているというところを僕はすごく心配しています。なおかつ、日本の法令作成者たちの英知というものを信頼しているので、これが下がらないようなシステムをつくれるような、あと、プロセスをつくれるようにしていければなと思ったりしています。今のところは技術の問題なので、あまり強くそのことを言わなくてもいいかなと思っていたのですけれども、一応機会をいただいたので。

事務局(須賀): まさにおっしゃる点は重要で、人の力をどこにより重点的に使っていくかというときに、できればフォーマットを直すみたいな作業よりは、今おっしゃっていただいたようなロジックをつめ切るみたいなところにより労力を割けるようにというのが恐らく全体のコンセプトかなと思っていますので、その辺りもしっかり整理をして参りたいと思います。技術的にできますというだけではないですよというのはおっしゃるとおりだなと思いました。ありがとうございます。

米田構成員: 入ってきたときに、それが無意識のうちに飛ばされてしまう。そこが怖いのですよね。

事務局(須賀): 形式だけ飛ばしているつもりが、実は中身もつまらなくなってくるという感じですね。よく分かります。
最後、渡部先生、もしコメントをいただけるようでしたらお願いできますか。

渡部構成員: お世話になっています。弁護士の渡部です。
今回から、国立印刷局の方が入ってくださっているということで、私も非常にエキサイティングに思っております。また一緒にいろいろ検討できたらなと思っています。
まず、藤原先生の資料の話で言いますと二つあります。一つは、DXの導入でよく見られるのは、新しいシステムを入れたときに最初の作業効率性というのはどうしてもがくんと下がってしまう。そうすると、条文を今の紙の手法でやっていらっしゃる官僚の方から、「システムを入れて、使いにくくなったよね」という反応が最初は出るのだろうなと思っています。
ただ、一般的に、その後、作業効率性のカーブが回復していって、効率性はどんどん上がっていくので、システムを導入するに当たっては、最初は慣れる期間が重要です。作業効率は落ちるのだけれども、将来の日本のためになるというところのベースのバリューをしっかり検討会としても伝えていく必要があるのではないかなと思っています。
これを欠いてしまうと、上から新しいシステムが降ってきたけれども、使いにくいんじゃないかという変な誤解になってしまうので、これは国家百年の計で法律をデジタル化していくものだということを、関係者全員から伝えていく必要があるというのがまず1点です。
資料1のところ、事務局(柳生)様、お忙しいところ今回もありがとうございました。私も資料は全部賛成でございます。一つこの検討会で検討する必要があるなと思うのは、これから新しく生まれてくる法律に、どのタイミングでデジタル原則に適合しているのかを見るのかというのは決めておかないといけないのかなと思います。
とりわけ、立法作業の研究をずっと進めていくと、官僚の方も国会に提出する前の極めてタイトな時間で立案資料をつくって法制局と話してというような状態なので、今もきつきつのスケジュールに、どこでデジタル庁と折衝しなければいけないのか、確認をしなければいけないのかというのはきちんとすり合わせておかないと、逆にこのプロセスが入ったことで、また一つ深夜作業が増えてしまったということになったら本末転倒なので、そこをどう既存のシステムと統合させていくかというところも含めて検討していく必要があるのではないかなと思いました。
冒頭長くならないように、一旦二つのコメントでございました。よろしくお願いいたします。

事務局(須賀): ありがとうございました。
ちょうど事務局とか国立印刷局さんへの呼びかけもいただきましたので、それぞれコメントをいただけるようであればと思います。
柳生さん、新規の法令のチェックのタイミングについて、御提案したいことがあって資料をお出ししていると思うので、お願いできますか。

事務局(柳生): 渡部先生がおっしゃっていたところは、まさに重要な点かなと我々も認識しているところでございまして、結局のところ、やりたいことをデジタル庁と各省が話をして、何をやりたいのかというのをちゃんと固めてから法律、政令といったルールづくりに入っていくことが絶対必要なのだろうなと考えているところでございまして、だからこそ、指針を先に出していく必要もあるだろうし、実際にその指針に基づいて各省が考えていただく中で、デジタル庁が早い段階で関与していくことが重要だと考えているところでございます。
今回資料で御提案というか、一つの案として挙げているものが、法律、政令につきましては、法制局の審査、条文を実際に書き込みにいく、政府としてやりたいといったものをルールとして書きにいくという前に、やりたいことを政府の中でデジタル庁とすり合わせてやっていくということが、一番手戻りが短い。まずやりたいことが実現できるのではないのかなというタイミングで、まさに御提案させていただいているところでございます。
ただ、これにつきましては引き続き各省庁の話等、今後、議論が出てくるところでもありますので、まさに渡部先生におっしゃっていただいている問題意識については非常に重要な点と我々も認識しておりますので、今回課題として挙げているところはまさにそういったことを踏まえて挙げさせていただいてございますので、引き続きいろいろ御知見等を賜れればと考えているところでございます。ありがとうございます。

事務局(須賀): 国立印刷局さん、いかがでしょうか。官報のデジタル化についても構成員提案の中で幾つか御提案がありましたが、もしコメントをいただけるようであれば。

国立印刷局: 官報は法令の公布という機能を持っておりまして、現在は、先ほど先生もおっしゃっていたようにPDFで配信しております。ただ、これは今までの経緯からして、組版の状態、紙で見ることを前提としたデータ構造でしたので、官報のデジタル化ということで、この資料にも書いてありますが、やはりXML体系にして、二次情報、三次情報として使えるようなデータフローをつくらなければいけないと思っております。
ただ、法令の公布の時点、一次情報としては非常に重要だと思っているのです。例えば、歴史学者の方、法律学者の方、これはある時点でいついつこういうふうに変えたという、法律用語で擬制ですね、この時点ではこうだったということを後から振り返ることがございますので、それはそれで大事であると思っておりますし、二次情報、三次情報というのは、民間会社の方はいろいろアレンジされて国民に提供するというところかあると思いますので、両方とも使えるようなデータにしなければいけないと思っております。
あと一点、紙とかアナログが製造フローの中で使われているというのは、私どもは法案の作成もやっています。それを国会にも提出していますし、その前後で内閣法制局さんとも紙でやり取りしている。あと、官報としては紙でまだ製造プロセスを組んでいるというところがございまして、部分部分の製造フローとしては部分最適を今まで何十年もかけて確立してきたのですけれども、今回、全体最適、上流から下流までをデジタルで流そうということがこういう検討会の場で議論されることが非常にうれしく、楽しみに思っております。
以上でございます。

事務局(須賀): 大変心強いコメントをありがとうございます。
米田先生から挙手いただいております。

米田構成員: 学者の立場からいくと、つい最近、法科大学院の教育と司法試験等の連携に関する法律の改正経過をたどったときに、改め文がどんなに便利かということを痛感した。
我々は、普通に条文を見比べただけだと、どこがどう変わったかが、体系的に全然分からないし、瑣末なところが変わっているところがいっぱいあったときに新旧だと全体像も、個別の部分も全然見えないというか、本当に把握するのが大変なんです。このように、どこが大事かが全く分からなくなってしまうという事実もあるので、今、国立印刷局の方がおっしゃっていただいたような、歴史学者とか研究者にとってたどれるような形のものを、どこかで出すか、民間がやるべきなのか、国がやるべきなのかは分からないのですけれども、どこかできちんとサポートしていただけるようにした方がいいかなと。DXというのは新しい知識を創造するという部分があると思うのです。新しい法令を使って、新しいルールにして、新しい社会をつくるというのと同時に、過去から学ぶという点では、歴史学者についても、法学者についても、これまでのやり方ですごく英知が蓄えられているので、これを潰さないように上手にデータを残していただけるようにしていただければなと思っています。

事務局(須賀): ありがとうございます。大変バランスの取れたコメントだと思います。
ここで、副大臣も国会対応を終えて参加していただいていますし、臨調の作業部会の委員の皆様にも御参加いただいていまして、落合先生、増島先生、稲谷先生が今いらっしゃると思いますけれども、何かコメントはございますでしょうか。

稲谷作業部会構成員: 稲谷です。あまりお話を振られると考えていたわけではなく、気の利いたことは全然言えないのですが、今お話をお伺いしていて、私はどっちに寄せて理解するのがいいのかなというところで悩んでいます。率直に申し上げますと、解釈能力とか、細かく今までの概念を整理していく能力というのも、確かに一面で、人間が法を執行するという領域が大きく残るのだとすると、大事なのかなという気もするのです。
ただ、その反面、デジタル化の中で、今後は、アーキテクチャーによる規制とか、データベースとアプリとサイバー空間で完結していく自動的な法執行、法目的の達成ということもどんどん増えていくということがあるように思うのです。
そうすると、そういった将来の法システムの利便性という観点から寄せていって、使いやすくするという部分と、先ほど米田構成員がおっしゃったように、しかし、依然として、人がやること自体が核心的な意味を持つ部分とは、やはり分けて考えていくところが一ついいのかなという気がしております。
つまり、法制事務のデジタル化を進めていくという観点からいくと、どちらかというと未来志向という話になるところはありますし、その際には、過去の立法の効果が改正にどのように反映されてきたのかということをチェックする場合にも、エビデンスとかデータを取りやすくし、こうした作業に適合的に法のあり方自体も変えていくということもそうなのだと思うのです。
なので、どっちに寄せていくのがいいのかというところも含めて、どっちに行ったとしても使えるような形で整理するというのは、正にそのとおりなのかなとも思う反面、将来的にデジタルで完結していく領域が拡大していくことを考えると、そっちに寄せてやる部分はしっかりつくっていくというのが大事なのだろうなと思った次第です。
突然振られたので、まとまりのない、しようもないことを申したかもしれませんが、ありがとうございました。

事務局(須賀): とんでもないです。ありがとうございます。
法は社会のインフラですので、少しコストをかけてでもいろいろな方に広く使っていただけるように準備をしていくということなのだろうなと思っております。
増島さん、落合さん、いかがでしょうか。

落合作業部会構成員: 落合です。私も想定していなかったので、大したコメントができず申し訳ありませんが、実際、まずこの法令そのものについての作業をしていただいているというところですが、作業部会で議論をしていてもそうなのですけれども、政省令の下の部分の様々な通達とか事務連絡などとの関係もあります。現実の作業としては、デジタル化をしっかり進めていくという意味では、そちらのほうもどう管理していくのかというのがあるのだと思います。一旦、法令自体についてこちらの法制局の部会の皆様のほうで御検討いただいていて、そういう方向で進めていただくということについて特に追加の意見はございませんが、その先にさらに、通達などのほうに広げていくときに、どういうふうに連続性を持たせていけるようなアーキテクチャーにできるのかも、どこかに念頭に置いて議論していただければと思います。最終的にかなり効率的に管理できるようにしていかないと、たくさんの通知、通達までデジタル化を徹底していくとなると、人手が重なると相当つらいと思うので、どうやって全体の作業をしやすくしていくのかという拡張性もぜひ念頭に置きながら議論いただければと思います。作業者の負担とか、この機能の実際の力を発揮するというところにつながると考えております。
すみません。若干スコープから外れたかもしれませんがお願いいたします。

事務局(須賀): ありがとうございます。
まさに、今、省令が対応できるかできないか、そこで精一杯という状態になっていると思いますので、その先も含めた法令、ルール、規律の全体が必要なのだということになりますと、ますますこの議論は重要かなと思います。
増島先生、お願いいたします。

増島作業部会構成員: ありがとうございます。
改め文が議論の俎上に上って、これは大事なのですという立場もあられるというのは理解できる反面、例えば政令とか省令・施行規則は改め文をあまりやっていないのではなかったでしたか。この辺、どうしているのでしたか。必ずやっているのでしたか。

事務局(柳生): 法律、政令レベルは基本的には改め文形式でやっています。

増島作業部会構成員: 政令までと。だから、省令・規則はやっていないわけですね。省令・規則はやっていない。

事務局(柳生): 省令レベルが最近、2015年あたりから新旧方式を導入してやってきております。

事務局(須賀): 新旧でもいいということになったのですね。

増島作業部会構成員: 学者の歴史研究のため必要という話が重要であるとすると、なぜ省令・規則はこれでよくなったのか。重みが違うのであるという回答も想定されるのですけれども、新しいやり方で過去のものを変えようとすると、これまでのやり方がいかに大事かという議論が出てくるのは世の常ですが、実は変わったら変わったで、変わった後の方法で、またそれをベースに物事を考えていくということを今まで当方は結構見てきています。省令・規則で実際に改め文がなくなったことによって、一体どんな不都合、不便が実際に起こったのかを見てみると、改め文をやめてしまったときの影響について一定の予測が立つのではないか。
もう一つあるのは、今改め文をやっている、法律は総本山で重いのですみたいな話が仮にあるとすると、いいやり方を探っていきましょうというのが先ほど藤原先生がおっしゃっていたことだと思うので、下位法令のところから実際やってみて、いい方法を見つけたら、それを横展開する形で、最終は法律までにちゃんとたどり着くみたいな発想は十分にあるのかなと思いながらお伺いしていた次第です。
下位法令なら別にいいじゃないかということでも必ずしもないのですけれども、もし、より法律が重いのであるというお立場があるとすると、実験を下位法令からやってみて、そこでいい方法を開発した上で横に展開するという手もよさそうですし、それをやっている間にその新しい方法に慣れていくということもきっとあるでしょうから、時間的な学習効果みたいなものもうまく成り立っていくのかなと、こんな気がした次第です。
以上です。

事務局(須賀): ありがとうございます。改革をずっとやっていらした増島先生らしい、非常に地に足のついたコメントです。
藤原先生と渡部先生、それぞれ御発言をお願いしたいと思います。まず、渡部さんからでよろしいでしょうか。

渡部構成員: ありがとうございます。
まず、増島先生、落合先生が作業部会の本体の流れから御指摘された部分は、非常に重要かなと思っています。
藤原先生のスライドにあった点でもう一個強調しておきたいのは、新しいものをつくるに当たって、既存のものを改める際、私も規制改革推進会議で「ロックイン」という話はするのですけれども、どうしても既存の制度によって、我々人間も含めて、いわゆるシステム、能力、特技を含めて、いろいろな理念、信念を形成してしまうので、既存のものがいいと思っているのは多分みんなそうなのだろうなと。
ただ、今回目指しているのは、ずっと変わってこなかったデジタルのベースレジストリをつくろうという国家百年の計なので、藤原先生と、特に増島先生がおっしゃったとおり、新しいものからというゼロベースで考えていくところが大事なのかなと思っています。
ゼロベースというのは、先ほど指摘に出たように、もちろんフォーマットを全部新しくしようという意味ではなくて、私も含めて古いものに引きずられるのですけれども、新しいものからどう100年先の日本のベースレジストリをつくっていくのかなというところの視点で議論をするのが大事かなと思いました。
以上です。

事務局(須賀):
ありがとうございます。
藤原先生、お願いいたします。

藤原構成員: 藤原です。
いろいろ参考になって、この会議はすごくいい会議だなと思って聞いていたのですけれども、まず、一部から始めるみたいな話がすごく正しいと思っていて、その関係で実は資料1の話ですけれども、法律・政令まではデジタル庁で見て、そこから下は見切れないというのはまさにそのとおりで、もともと僕はそうだと思っているのですけれども、まさに省令とか通達とか重要な場面があって、特にアジャイルガバナンスの話を実際に適用していくような場面は、そこを見ないと意味がないというか、そこをどうするかというのがまさにポイントなので、場合によってはフラグを立てて、一部、ここはアジャイルガバナンスを実際にやるところですと決まったから、そこだけは見るとか、そういう小さくやらないとこの部分がうまくいかないのではないかなという気がしたので、そこだけ指摘していこうと思いました。
それから、先ほど来出てきている改め文によって経緯が分かるところは当然あるとは思っていまして、この手の話は昔からほかの分野でもよくあって、それこそ契約書とかの話でも、フォーム、ひな形ができるとみんなそれをコピペするから分からないので、この条文はこういうふうになっている理由があったのだけれども、手書きで書いておけば、分かりましたみたいな、そういう話を我々もしたりするのですけれども、検索できるデータがすごく増えたときには、それを超えた新しいものが見つかるというのがありますし、あとは、特に作業される皆さんが、昔、まだ先例が検索できなかった時代に一から身につけたものを同じようにやっていく必要はなくて、やはり先人の英知の上に乗っかって、より上に行かなければいけないと思うので、今回のシステムを入れるときに何らかの検索システムみたいなものが追加でつくはずだと思っていて、実際、e-LAWSでも用例検索が結構使われていますということを聞いたのですけれども、それと同じような感じで、関連するデータベース検索みたいなものをどこかにおまけというか、外部につくはずで、そこが重要で、使ってもらうためにはそこも早めに考えたほうがいいのかなと思います。これは今回お話ししたものの横につながってくる別のシステムかなと思っているので、直接今回の提案とは関係ないとは思っているのですが、そこは結構重要かなと思っているので一応申し上げました。
以上です。

事務局(須賀): ありがとうございます。また、角田先生から「いいね」をいただきました。
米田先生、お願いいたします。

米田構成員: 僕自身が思っていることは、新しい時代に入るときに、さっきいろいろなギャップが生まれるよね、と。こういうところをどうやって乗り越えるか、うまく乗り越えないと、折角の取組が無に帰すということになりかねないことに注意を促したかったので、少し後ろ向きの話も多くさせていただいています。そうした意味でも、さっき藤原先生がおっしゃってくださったように、小さなところからやっていくというのはすごく大事だと思っています。
視野を広げると、国が右を向くと、自治体が全部右を向くのです。今、僕は条例をやっているので、特に自治体の方々から聞くと、法制局がこうやっているから改め文をやっていますというところが多い。
そうすると、改め文を一気にやめるとは思っていないですけれども、それがなくなって方針が変わったときに、自治体が右からがっと変わるというのがどれぐらいのペースでとかわからないのですが、そのときに起こる、さっき渡部先生がおっしゃったような最初のダウン、それをどれだけ小さくできるのかということは意識する必要はあるだろうとかんじています。
もう一つは、法制局というよりは閣法を意識しているように思うのですけれども、議員立法はどういうふうに配慮されているのかというのが物すごく気になって、件数で見ると、年によりますけれども、議員立法のほうが多いような会期のときもあって、これはこの議論の中でどう配慮されているのですか。

事務局(須賀):
私からお答えしますと、は必ず論点として出てきて、裁判所の手続をデジタル化するとか、国会の手続をデジタル化するというところまで内閣が口を出すのはおかしな話なので、そうしますと、三権がそれぞれ横がやっていることを参照して、お互いに学び合いながら、足並みを事実上そろえていくという形なのかなと思っていますし、実際、デジタル臨調事務局にも、何をやろうとしているか情報提供をしてねと言っていただいたりしています。こちらで全体を仕切りますということにはならない一方で、お互い、どういう先例が出てくるのかということはしっかり横で見ていくという関係かなと思っています。
柳生さんから補足があれば。

事務局(柳生): 特に法律案のところについては、まさに国会との関係が出てくるかなと思われます。あくまで政府として出しているのは、法律案を出しているだけでございますので、やはり立法府が法律を制定するというところになってございますので、改正法律をどういうもの、改め文形式なのか、新旧方式なのかといったものについて、どうあるべきなのかというものについては一義的には立法府、国会での御判断になってきますので、そこについて国会がどう御判断されるのかというのは、最終的にはどうしてもこの問題としては付随してくることなのだと思います。
ですので、先ほど皆様方からいろいろ御提案いただいている、まさに小さいところからということで、省令とかで新旧方式でやってみて、実際にこんなにいいことがあった、こううまくいっているじゃないかといったところを積み上げていくことで、やっとそういった最終的な大きなところを目指していけるところもあるのかなと考えているところでございまして、我々としてもPoCでやってみたらいいのではないかみたいなところとかも先ほど御説明させていただいておりますけれども、そういったところもあるところでございますので、まさに国会との関係も含めて、実際に本当に変わるというタイミングになったら大きな調整が必要になってくると思っております。

米田構成員: そうすると、我々国民にとっては同じ法案なわけで、法律ができるというプロセスですから、率直に言うと一つのことなのですね。別々ではないのです。そうすると、国会のほうにも同じように情報を出していただきながら、国民がそういう情報を議論に参加できるように共有するには、国会のほうで、端的に言えば、政治家の皆さんというか、議員のみなさんに頑張っていいただくということになるのでしょうか。

事務局(柳生): 最終的にはそういうことにはなると思います。ただ、実際に細かい作業は基本的には政府がやっている、まさに法律制定草案の数が多いですので、そこら辺については政府がエビデンスといったものを含めてちゃんと示していくことが肝要なのだと思っているところでございます。

米田構成員: 自治体を含めて今のデジタル化の流れは始まったらもう戻れないものですし、どれだけ同じようなことが広まっているかによって効果が全然違ってくると思いますので、横の展開というか、連携といったものに十分に配慮して取り組めたらなと思います。
以上です。

事務局(須賀): 重要な指摘をありがとうございます。
堀口さんと落合先生に手を挙げていただいていますので、この順番でお願いできますでしょうか。

堀口構成員: デジタル化の方法について、多様な御意見があられると存じております。ここに関しまして私といたしましては、デジタル化に当たっての目的を整理して取り組むべきであると考えた次第でございます。
今回、議論の中で様々な改め文に関しての議論などが出てきておられると思いますけれども、特に重要な目的の一つが霞が関の職員の皆様の負担軽減と理解しておりまして、そういった中で負荷軽減に必要なシステムという中で、必ずしもデータの仕組みだけではなくて、非機能要件といいますか、ユーザーの皆様が使っていただくに当たってユーザーフレンドリーなもの、そして使い勝手がよくて、まさに負荷軽減に資するようなものの開発が必要になってくるというのが今後極めて重要な議論の一つとして、まだ語られていない点からも考えております。
資料3の中にもXMLエディターの開発という点がありましたので、たまたま私のほうでもエディターを含むウェブ上での文書編集システムの開発に従事してまいった経験から申し上げますと、こういったものについても特に新しい取組、ワープロソフトといった既存のものに代わるような取組でございますので、使いやすさ、さらにパフォーマンス、どれだけ速く動くか、さくさく動くかといったもの、こういったものが市場では特に要求されてまいりますし、この市場での要求と同じような要求が公的なシステムにおいても重要になってくるのではないかと考えてございます。
以上でございます。

事務局(須賀): ありがとうございます。ますます省令みたいな下位法令からPoCをやってみたいなと。エディターもつくってみていただきたいという気持ちになってまいりました。
落合先生、挙手いただいています。

落合作業部会構成員: ありがとうございます。
何点か議論が出ていたところがあるので、三つほどコメントしたいと思います。
一つは、自治体のお話が出ておりました。自治体の関係では必ずしも法令で手法が決まっているわけでもないし、やり方を新しくしたからといって、そのまますぐに合わせてくださいというわけでもないと思います。その意味では、いきなり同じ方法をされるかどうかというと、もしかするとほかのデジタル化などで私が関わっている事例からすると、直ちには実施されない可能性も結構あるのではないかと思っています。
例えば、経産省で取り組まれたものでは、キャッシュレスの窓口での導入の話もありました。民法を解釈すれば、領収書を出すか出さないかはすぐに分かるはずなのですが、自治体内の法務がおられてもそういうことが整理されておらず、取りあえずどこでも領収書を全部一律発行しなければいけないのかとかを繰り返し自治体の方から聞かれて、手順書をつくったことがありました。いきなり強制的に変える場面ではないということは意識して、途中で何回か変わっていく可能性があるということも踏まえながら実施していっていいのではないかと思っています。
実際に、自治体に条例のほうを進めてもらうときには、使い方とかそういうもののガイダンスまでないと、今までの経験上は取り組んでくれない面があります。大きい自治体は別だと思うのですが、小さいところは難しいとも想定しますので、実際はガイダンスをつくって広げていくことになるのだろうと想定しています。
国会との関係では、先ほどの増島先生の議論にトレースする形になりますけれども、省令が法制局審査もないので比較的変えやすかったというところがあり、一方で政令は法制局審査があるので、改め文は省令のみ進められていたのかなと思いました。
政令については全部行政側でつくられているはずですので、そうすると、政令のほうを全部変えるというのが最初にできることになると考えられます。国会提出法案の関係では議員の先生方の提出法案もありますので、例えば政令であったり、行政側の国会提出法案でやり方を変えて、こういういいことがありましたということをエビデンスとして示すようにしていき、議員の先生方にも御理解を得ていく、こういうプロセスを経ながら全体的に同じフォーマットでできたほうが効率がいいですねと、こういう説明を行いながらの議論をしていくのかなという想定しております。
最後に、改め文のところですけれども、改め文は職員の負担軽減だけでもないようにも考えます。例えば法改正があった直後は、各省庁の国会提出法案を見ても、新旧対照表が長かったり、附則とかも含めたりすると、全部のものはすぐに見えないような状態になっていて、それに対応して取り組もうとする民間の側の立場からも、どういう内容になっているのか、いまいちよくわかりにくいという話があると思います。このため、職員の方だけでなくて、国民の側も法令の改正に対しては早く理解できることになると思います。今のe-LAWSだと、改正の直前ぐらいになって更新されていることもあると思いますので、そこはあくまで行政だけではなくて、民間にとってもプラスなのだということは言っていいのだと思います。
そういったときに、比較できるようにするにはどうすればいいかを考えると、今のワードソフトなどで、法律事務をされている方だと比較機能をよく使われたりすると思うのですが、結局、あるときのバージョン、あるときのバージョンを正確に保存しておくようにすれば、ある程度ワープロソフトだったり、比較用のソフトウエアもあって昔使ったことがありますが、そういうもので比較できるようになる部分はあると思います。どちらかというと、毎回毎回のものをしっかりと記録していき、比較するときに比較しにくくならないように、インデントとか、タグを気をつけて振っていくとか、そういうところがやられていれば、今の時代の技術の水準からすると、変更箇所はある程度自明な形で見えるようになるのではないかと思います。
昔はそれがなかったので、どうしても改め文という、それも技術だと思うのですが、文章によって実施していた技術だと思いますが、これがデジタル技術に代替できるようになったという形で考えていただいたらいいのかなとも思います。
以上です。

事務局(須賀): ありがとうございます。まさに政令までは法制局審査があって、そこで線引きされていると認識しています。
安野さん、挙手いただいています。よろしくお願いします。

安野構成員: ありがとうございます。
幾つかコメントさせていただきます。
一つは、改め文か新旧対照表なのかみたいな議論が若干あったと思うのですけれども、藤原先生にまとめていただいた御提案は、私の理解で言うと、改め文を廃止すべきかそうでないか、という話ではないのかなと思っています。
角田先生がおっしゃったように、改め文で機械的に表せない領域があるというのは理解した上で、ここは私は解像度が高くないので、間違っていたら角田先生に御指摘いただきたいのですけれども、多くの領域は自動変換もできるところなのかなと思っています。
そういう意味で言うと、今回提案のXMLエディターみたいなものを使えば、新旧対照表にも出力できるし、改め文にも出力できる。ただ、一部出力できないような形式の部分も残るみたいなことだと思っているので、そういった自動で変換するのが難しいところを柔軟に認めるべきかどうかみたいな論点のほうが本質なのかなと思っています。
そういう意味で言うと、現状の附則の部分とか表の部分は新旧対照表も織り交ぜた形で国会で議論されていると理解していて、そんなに大きくポリシーを変えることなく適用できる可能性もあるのではないかと思って聞いておりました。
2点目が、米田先生、渡部先生、堀口さんがお話しされていたような話は非常に重要だと思っていて、使い慣れた方からすると使いにくいとか、最初に新しい仕組みに慣れるみたいなところのダウンサイドがあるというのは理解した上で、目的をちゃんと明文化すべきだと堀口さんはおっしゃっておりましたが、まさにこれは同意でして、もう一歩進むと、結果としてどういうKPIを追っていくべきというところを事前に考えておいた上で、実際、例えば導入して1年後にそのKPIがどう変わったのだというモニタリングを行っていくとよいのかなと思っております。
最後に3点目ですけれども、議員立法とか、自治体とか、新しい仕組みに対して強制力を必ずしも持たないということだと理解したのですけれども、デジタル庁とかここの臨調の取組としては、こういったXMLのエディターのソフトウエアをつくるのであれば、それを公開していくことで、それを自由に使っていいよというやり方はできるとは思っていて、あるべき論は、使えと強制するのではなく、使うと便利だから自然とそのソフトウエアを介して使われていき、結果みんなそこに行っているというのがある種の理想像かなと思いながら聞いております。
一旦、3点、以上コメントでございました。

事務局(須賀): ありがとうございます。そう言っていただけると勇気づけられます。
角田先生、コメントをいただけますでしょうか。

角田構成員: 改め文の問題につきまして、これまでの御発言の中でも前提や観点にやはり誤解がありそうだなという感触をもっておりまして、誤解解消のヒントは先ほどの米田先生の話の中にたくさん入っていると思います。過去のことを忘れてもよいような話もありましたが、そこにすごく大きな誤解というか混同が論点としてあるのですが、藤原先生をはじめ構成員の方々はご認識されていらして、事前のチャットでの検討の中では分けてくださっていたように思えたのですけれども、また混ざりそうなお話の流れがありましたので念のため改めて発言させていただきます。
改め文の利点をあげます。例えば「社会福祉法」を「社会福祉整備法」に変えます、といったときに、差分だけを取っていると、「社会福祉」の後ろに「整備」という言葉がついたという履歴しか残りません。でも、やりたかったことは、法律の名称が変わったから条文も変えたのだよというところを知らしめたかったわけです。そういう情報をどのように残すのか。それは別にXMLの中に書き込むとか、タグに書き込むとか、もちろん改め文にする必要はないのですけれども、そういう変更の趣旨が簡単に残るような仕掛けを、例えば外部エディターでもいいので、つけたほうがいいですよという話であって、単にワープロの差分機能があればいいというわけではないと思います。たしかに差分機能は簡単に使えて、違いだけを追っていくことができますよという便利機能としては多くの人が知っていると思います。40年以上前にUNIXの差分表示のdiffコマンドができましたので、多くの人がその類の機能については知っていることだと思うのです。
しかしながら、問題関心は差分自体ではなくて、付随するアノテーション情報をどういうふうに蓄積していきましょうかというところです。ただし、XMLのフォームの中に残したり、あるいは改め文みたいな形で残したりしなくてもいいのではないのかという議論だと思うので、そこですぐに簡単な既存ツールでできることと話を混ぜると大事な論点が消えてしまうと思います。
あと、古いことは忘れて新しいものを使うことで覚えるのだというお話もあり、そのような状況もあると思うのですけれども、その場その場の履歴を取っていっても分からなくなる情報もあって、法律分野ですと、プラスアルファのアノテーション情報が法制史や法解釈のために経緯を確認したい人々にとっては必要になってくるという点も大事だと思います。
改め文にしたほうがよいとは私も全然思っていないですし、変えられるものだったら絶対に変えたほうがよいと思います。もちろんスナップショットを毎回毎回正確なものを撮って正確な各段階のデータを残していくというのがすべての最初のエビデンスになりますので重要だとも思います。しかし、どのような理由で変えたかというのは、改め文とは別の形でもよいのでちゃんとフォローできるような仕掛けは用意しておいたほうがよさそうだというお話なのです。
ここで強調して発言させて頂きたいのですが、改め文作成のような作業に関わってきた方々、多くは中央省庁の方々ですが、重要なノウハウやナレッジの蓄積が残せなくなる点が心配になっていると思います。あと、デジタル化で教育を実施する側の人々や、デジタル化に反論を唱える人々も、多くはその点が気になっているので、そのところを親切に、ユーザーの側に立ったフォローをできる仕掛けをつくりますよと言えるほうがよいかな、と思っています。

事務局(須賀): ありがとうございます。ちょうどこの構成員提案をつくっていただくまでの皆様のチャットの中でも、要は人間可読と機械可読をどういうふうにベストなやり方で実現するかということだよねという議論がございました。そのために、必要なタグづけだったり、辞書だったり、何が必要かということはPoCをやってみるのが一番いいよねということがメンバーのコンセンサスだったのかなと思っておりますので、そこはしっかりと理解した上で議論を進めていけたらなと思います。
あと、稲谷先生が挙手していただいていますが、いかがでしょうか。

稲谷作業部会構成員: 私も実は今まさに同じことを言おうかなと思っていたところでして、アノテーションに当たるところが最終的に残らないと、人が解釈を行っていく上で、しんどいところが出てくる可能性があるというのはそのとおりだと思うのですね。
ただ、そのときの視点を誰にするかというのは大事な問題かなと思っています。要するに、解釈権限とか概念設計というのを最後にやるのは、我が国の制度的には裁判所だと思うのですね。
つまり、法の作り方においては、裁判所が、どういう概念がどういう形で出てきていて、だから今回の事案に関してどうなのだという概念形成や概念内容の範囲決定をすることを念頭においてきた、日本の法解釈学は基本的に裁判所における法解釈を精緻化するという観点から出てきたところもあって、それが改め文に対する愛ともきっと関係しているのだろうなと思います。そうすると、この種の法創造に関わる人たちから見ても問題ない形式を整えておくことが、結果的にスムーズに新しいやり方に移行していく上で重要な意味を持つのだろうと。そのためには、皆さんもおっしゃっていたように、差し障りがなさそうなところから始めてみる。その上で、ここは改め文の機能が残った方が良いというところを明確化して、先ほど皆様がおっしゃっていたような、今の改め文とは違う、より効率的なやり方で、アノテーションの機能を代替させていく、ということになるのだろうと。そうすると、デジタル化に即したような形で、改正の方法であるとか、法文本体についてはしっかり整理をし、アノテーションという機能については、最終的に裁判所における法創造という観点から支障が出ないように配慮するという形を整えれば、大きな問題にはならないのだろうと思っています。ありがとうございました。

事務局(須賀): ありがとうございます。
先ほどから米田先生が安野さんの発言以来、ずっと拍手をしてくださっていて、角田先生も、今の稲谷先生のコメントに拍手をしていただきました。ありがとうございます。
資料の2と3、法制事務のデジタル化について相当充実した議論をしていただきました。できれば構成員の皆様にはここで息切れされずに、引き続きPoCのところまでお付き合いいただければと思います。
資料1のほうも新しいことを御提案しております。指針はちゃんと公の場で議論されるべきではないか。新規の法令の点検主体は、法律及び政令に関してはデジ庁が法制局の予備審査までに、省令以下はパブコメなど政策決定の前までに指針に沿って基本的に各府省庁に自主点検をしていただきながら、その後、結局できていない時にそれをどうやって誰が察知するか。技術の進展を、国民から通報していただくことも含めて御要望を、どう把握するか。それから、定期的に執行状況のチェックみたいなことをやったほうがいいのか。そういったところが論点かなということでお示しをしています。今デジタル臨調でアドホックに集中改革期間を設けて点検に取り組んでいるわけですけれども、この機能を政府に恒常的にインストールするために、デジ庁のほうで体制整備が必要なので、予算とか機構定員も含めてしっかりと要求をしていく必要があるのだろうということ。あとは、まず法案のデジタル原則の適合性確認を令和6年度から徐々に始めていくということを今は考えていますけれども、先ほどから構成員の皆様に御指摘いただいているように、執行段階で省令以下のルールとシステムをどう組んでいくかということが今まで以上に重要になってくるので、法律をチェックして終わりではなくて、執行プロセスの設計をデジ庁が呼びかけて、関係者が集まって議論するプロセスも別途必要ではないかという御提案もさせていただいたところです。この辺りももしコメントをいただけるようでしたら、いかがでございましょうか。
渡部先生、お願いいたします。

渡部構成員:
ありがとうございます。弁護士の渡部です。
事業者側、国民の視点としては、新しい技術が出てきたときに、その制度に対して健全にチャレンジできることが大切だと思っています。要するに、「新しい技術ができた、でも今のガイドラインには書いていない、だけども、これは適合すると思うのだけれども、どうでしょうか」と問いうる制度が必要と思います。
それを考えたときに、既存の制度で一番親和性が高いのは、事務局の資料にはないのでサプライズになったら恐縮ですけれども、経産省さんのグレーゾーン解消制度は、現実的にまさにこういう利用のされ方がされているのかなと思います。例えば、法令、政令ではこういうふうに書いてあるのだけれども、ICTでこういう形でやるのは解釈上含まれるのですかというチャレンジの仕方をしている。
一つジャストアイデアではあるのでけれども、例えばグレーゾーン解消制度の中で、デジタル原則に適合していないとか、デジタル原則の観点からこれも解釈として含まれるべきみたいなときは、例えばデジ庁のほうにも所管官庁と併せて声をかけていただくみたいなことが運用上できたら、いろいろなところで、我々が気づかないところも、まさにアジャイルに変えていけるのではないかと思いましたので、もし御検討いただけたらうれしいなと思います。
以上です。

事務局(須賀): ありがとうございました。ぜひ当たってみたいと思います。
あと、藤原先生と堀口さんに手を挙げていただいていますが、この順番でよろしいでしょうか。

藤原構成員: 藤原です。
この適合性確認のプロセスというのは、このまま人間がやると大変なので、当然システムが入る前提になっているとところどころに書いてあると思うのですけれども、もう少しシステムを使うということを強調しておいたほうがいいのかなという気がしていて、気づいたら物すごい勢いでデジタル庁の方々が一生懸命ワードで検索しているみたいなことになる可能性があるので。
そうは言っても、現状は人手というか、いろいろな検索ワードを試してみたり、そういうことをされていたと思うのですけれども、ある程度ノウハウがある中でどういうシステムをつくるのか、私にはあまり想像がつかないのですけれども、一定のこれを通すとある程度分かりますみたいなものをつくらなければいけないのだと思うので、そういうことをしますということをどこかに書いてもいいのかなという気がします。
以上です。

事務局(須賀): まさにその点は、法令をXML化して、意味づけもして、タグづけもして出していく中で、最終的にはGitHubでプルリクいただくというような形でより気軽に御提案いただけるようにという思いがもともとはあったわけです。ちょっとムーンショット的な話ですが、最終的にはそこに到達したいなと事務局としては思っております。
では、堀口さん、お願いいたします。

堀口構成員: 先ほど申し上げた点と重なるところはございますけれども、資料1にありますようなロードマップ、具体的なプロセスを進めていかれるに当たって、システム化に当たって、何からできるか、できることから取り組んでいく。その中で、どういった省力化ができるのか、実際に技術としてどんなことができるのかという先端の御議論をされておられると拝見しておりますけれども、ここに加えて、皆様方の作業に当たって、実際にどういう使い勝手なのか、非機能の部分も含めてユーザビリティーの部分があまり語られていない点の一つかと思ってございます。
こういった中で、どのような点を最大効率を出して効率化していくことができるのかという観点、さらに一般のユーザー様、今回の場合にはデジタル適合性原則の確認をされる職員の皆様が中心になられると思うのですが、その方々が使いやすいものになっているかどうか。使いやすいシステムをつくっていくに当たって、何か困難な点があるのかどうかという観点での民間既存事業者へのヒアリング、こういった点が重要になってまいるのではないかと考えている次第でございます。

事務局(須賀): ありがとうございます。引き続き、ヒアリングも組んで取組を進められたらと思います。よろしくお願いします。
大体一通り御意見をいただきましたでしょうか。また論点などがありましたら挙手いただければと思います。
角田先生、お願いいたします。

角田構成員: 先ほどの工程案の話ですけれども、この工程で何かをつくったり作業をしたりするときの進め方が、簡単に言えば、アジャイルにやらせていただけるのか、逆に普通の開発のように要件定義から始まるウォーターフォールで厳しく実施しないと政府だから駄目と言われるのか、確認させて下さい。もしサンドボックス的な実験的工程が可能であれば、まず、いずれかの省庁の部署で実験的に実施していただけると、手戻りがあっても対応可能だと思うのですけれども、多くの省庁を対象にした従来のウォーターフォール的な形での開発になってしまうと心配なのですが、参事官に聞かないと分からないことでもあるので、この点はいかがですか。

事務局(須賀): デジタル臨調の集中改革期間3年と言っていただいている期間は、まさにいろいろな試行錯誤をしてみる期間だと認識をしています。実際に政府の中に機能としてインストールしていく段階になりますと、各省庁に迷惑をかけてしまわないように当然ある程度の型が必要になってくるのですが、それまでの間はいろいろなアプローチを試しながら意思決定をしていけたらと思っております。ぜひこのチームで提案もしていただけたらなと思います。

角田構成員:
それは、もしかして私たちがプログラミングをするということが前提ですか。

○事務局(須賀)
エディターの話もそうですけれども、こんなものをつくってみたらいいのではないかというところの大所高所のフレームワークを与えていただきながら、こちらでリソースの手当てをしてというプロセスを考えております。

角田構成員: つまり、その辺は自由度があって、アジャイルな工程を組んでいけそうだという感じですか。

事務局(須賀): はい。

角田構成員: 分かりました。丸投げするような形ではなくてという感じですね。

事務局(須賀): もちろんです。

角田構成員: 分かりました。ありがとうございます。

事務局(須賀): ほかにいかがでございましょうか。そろそろ時間も詰まってまいりましたので。
増島先生、コメントをお願いします。

増島作業部会構成員: ありがとうございます。
体制の話ですけれども、サンドボックスをやったときもそうだったのですが、サンドボックス制度自身は内閣官房で持っていただきながら、各省庁に合議が来るような体制で、その人たちがイノベーション促進的なマインドになっていないとなかなかうまくいかないという話があって、各省庁にキーマンみたいな人をつくっていきましょうという体制をつくっていただいて、それで前向きに進めてもらうという、こんな議論をしたのですけれども、デジタル原則への適合性とか、これは官民連携とか相互運用性確保とか、従来型ではないクリエーティブな形でルールができていくというのが重要だと思うのですね。なので、今までみたいな、この文言をただこっちに持ってくるとか、コピーするとか、そういうことではないのではないか、こんな感じもしています。つまり、いま法制局がやっているような文言チェックとちょっと違うところがあるのではないか、こんな感じがしているのです。そうすると、そういうことができる人たちをつくっていかなければいけないというところがあるのではないかと思うのです。
今、別の作業部会でやらせていただいているのは、各省庁の方々にフレームワークに従ってデジタル原則に従ってこんなことを今やろうとしているのですというのをいろいろ持ってきていただいて、我々のほうで、こんな形でやるともっとうまくいきそうですねとか、いろいろディスカッションするセッションをやらせていただいているのですけれども、各省の実際に持ってきてくださる方々は結構クリエーティブにいろいろなことを考えていらっしゃって面白いなと思いますし、期待できるなと思えるものもすごく多かったりするのです。
なので、各省庁でもクリエーティブなことがいろいろできるし、もしくはそういうことを面白がってやってくれる人は必ずいるのではないかという感じもしています。むしろ若い人が活躍するという観点から、特に若い人が疲弊してやる気がなくなって、すぐに民間の外コンに行ってしまうみたいな、そういうのを少しでもなくすために若い人の活躍の場合を与えようというのは各省庁さんが今いろいろやっていらっしゃると思っておりますので、そういうところにこそデジタルのアジェンダみたいなのを当て込むみたいなことをしていくと、いろいろな意味でよい効果になるのではないか、こんな感じがしています。
申し上げたかったのは、各省庁さんもすごくポテンシャルが高いというのが一つと、そこを若い人たちのやる気を引き出すというところにうまく使っていただいて、そことデジ庁さんが連携してやりましょうと。デジタル庁が審査しますみたいな、上から言って、おまえ、こんなの駄目じゃないかみたいな、こういう話というよりは、むしろそういう体制をうまくつくれないか、こういうフラットな関係をベースとしたエンゲージメントというアプローチのほうがデジタルっぽいですし、僕はいいのではないかと思いました。
以上です。

事務局(須賀): 本当にそう思います。作業部会に先進事例の御紹介に来ていただいている各省さんはクリエーティブな打ち手をいろいろ打たれていますし、課題の認識も非常にビビッドだと思うので、デジ庁が一方的に審査をして一方通行のチェックリストでというようなやり方ではないものをぜひ考えたいと思います。
デジタル原則の1はまだ形式的な審査とか点検というのが一定程度なじみやすいと思うのですが、原則3、4、5になってきますと、使い勝手が悪いというような声を含めて汲み上げないと有効なチェックができないものですから、その辺りの手法もぜひ考えていきたいと思っております。

増島作業部会構成員: ありがとうございます。
まさに法律に書くというレベルではないところのものが結構いっぱいあって、運用の部分で、ここのシステムとくっつけようと思うのですよねとか、こんなことを政策として民間の人と一緒にやろうと思っているのですよみたいな、そういう部分が本当の使い勝手とかデジタルということにつながっていくので、法令審査的な要素も多少はありつつも、そこからもっと離れたクリエーティブな形の、審査というよりはディスカッションで、みんなでよくしていきましょうという流れになるといいなと思いました。
ありがとうございました。

事務局(須賀): ありがとうございます。
自然とベストプラクティスや知恵が集まってくるような仕組みをぜひ考えたいと思います。米田先生、拍手をしていただいてありがとうございます。
では、本日も充実した意見交換をどうもありがとうございました。時間になりましたので、この辺りで質疑応答、意見交換を終わらせていただければと思います。
副大臣、そのまま行ってよろしいのですよね。

小林デジタル副大臣: 結構です。充実した議論で、私も頭の整理ができました。

事務局(須賀): 本日の議事につきましては、また議事録を作成しまして皆様に御確認いただいた上で公開、資料も全て公開とさせていただきます。
それから、「法令の適合性原則への適合性確認プロセス・体制について」という資料1に関しましては、本日御議論いただいたもので作業部会のほうにも報告させていただきたいと思います。
以上をもちまして、本日の会議は閉会といたします。本日は御参加いただきまして、どうもありがとうございました。