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デジタル庁女性職員活躍とワークライフバランス推進のための取組計画

基本的な考え方

デジタル庁は、デジタル社会形成の司令塔として、未来志向のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を大胆に推進し、デジタル時代の官民のインフラを一気呵成に作り上げるため、府省庁、地方自治体、民間経験者など多様な職員が集まる組織である。そのため、各人の働き方などのバックグラウンドが異なることもあり、統制のとれたワークライフバランス推進のための取組は極めて重要である。
これまでも、組織サーベイを実施し、エンゲージメント向上に向けた組織改革に着手してきた。
ひとつに人事インフラの整備として、担務表の整理、1on1ミーティングの導入、職員のスキル可視化など。また、コミュニケーションポリシーを策定し、幹部と職員の間や職員間のコミュニケーション・プロセスの改善に取り組んでいるところである。
より良い職場作りに向け、「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」(平成26年10月17日女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会決定。令和3年1月29日一部改正)に沿って、デジタル庁は、引き続き、業務の効率化・デジタル化と、適切な勤務時間管理やテレワーク時の業務分担の適正化を含めたマネジメント改革を働き方改革の主軸とし取り組んでいく。
なお、本計画は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27 年法律第64号)第19 条及び次世代育成支援対策推進法(平成15 年法律第120号)第19条に基づく特定事業主行動計画として位置づける。本計画の計画期間は、令和4年10月1日から令和7年3月31日までとする。

ワークライフバランス推進のための働き方改革

デジタル庁は「今までの枠組みにとらわれないやわらかな組織」を目指し、効率的で、自由があり、業務で学べる働き方を推進する。
また、デジタル庁のバリューでもある「常に目的を問い」=「前提や慣習を前向きに疑い、世界に誇れる日本を目指し、新しい手法や概念を積極的に取り入れます。常に目的を問いかけ、「やめること」を決める勇気を持ち、生産性高く仕事に取り組みます。」を職員一人ひとりが意識し行動していく。

1. 効率的な働き方(業務効率化・デジタル化の推進など)

(1)自由がある働き方(テレワークの推進など) 【重点項目】

デジタル庁では全職員がテレワークを実施できるハード面での環境整備は整っており、柔軟にテレワークを実施している。そのうえで、テレワークならではのコミュニケーションの取り方などの問題解決に向けたチャットツールの導入などを含めた対策を積極的に取り込みつつ、より効果的なテレワークの実施に向け取り組む。
また、フリーアドレスの導入や、政務、幹部、職員皆が参加するオールハンズミーティングを定期的に開催するなど、柔軟で自由な働き方を推進する。
その他、チャットツールや文書の共同編纂機能を活用するなど、非同期での情報共有や、オープンな情報共有を行うことで、効率的かつ開かれたコミュニケーションを実現するとともに、政務や幹部も含めて、打合せはリモート中心で行うなど、業務の効率化を進める。

(2)業務の廃止を含めた業務見直し・効率化

職員全員の活動や取り組みが、確実に「目指す成果」に繋がる仕組みづくりとして、注力領域となる「3つの柱」を定義し、組織的かつ効率的な業務推進を行うとともに、政府DXと連携した経営企画機能の整備を進め、業務の見直し・効率化を行う。 さらに、庁内並びに関係者に目標と指標を共有できるように、主要なものからダッシュボードとして可視化を進める。

(3)国会関係業務の効率化

①テレワークの効果的活用等を通じた国会対応の合理化
デジタル庁では、下記の取組を継続する。

  • デジタル庁国会担当においては、テレワークや早出・遅出勤務を導入し、職員の負担を軽減。
  • 物理的に登庁することが必須な場合を除き、答弁作成等の国会関係業務についてはテレワークによる対応を可能とし、正規の勤務時間終了後については、翌日の国会状況も踏まえつつ、国会対応のための待機を真に必要な場合に限定するほか、待機を要する担当者が最小限となるよう取り組む。
    引き続き利用者の意見を踏まえて運用の改善を行い、庁内全体の国会対応の合理化を図っていく。

②国会答弁作成プロセスの効率化
デジタル庁では、庁内における担当チームの調整や作成答弁案の確認等はメールを使用せず全てのプロセスをグループウェア上で行う。これにより、

  • 答弁作成プロセスの関係者(答弁作成者(主担当だけでなく関係する他の担当チームを含む。)、国会担当、作成答弁確認者等)間での進捗状況の共有
  • 作成答弁案に係るファイルの同時編集
  • 答弁案作成開始段階から作成答弁確認者がその作成プロセスに参加することによる答弁の方向性の早期確定を可能とし、答弁作成に要する時間の縮減に繋げる。

(4)業務で学ぶ働き方

民間出身者と行政出身者がそれぞれ、自分の専門分野を超えて業務を通じて同一のミッションを遂行し、互いの専門外の知識を業務を通じて習得することができるとともに、チームを超えて庁全体に知識を共有する勉強会を実施するなど、働きながら学ぶ環境を整備する。

2. 勤務時間管理のシステム化と勤務時間管理の徹底

(1)勤務時間管理のシステム化

職員の日常的な勤務実績の管理等に関しては、令和元年度に内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室が勤務時間管理業務を対象として作成した「勤怠管理アプリケーション」を継承し、現在、デジタル庁における勤怠管理業務に使用している。今後、勤怠管理アプリケーションは、ローコードプラットフォームを活用した平易かつ汎用的なアプリケーションとして、政府の勤務時間管理のシステム化の指針を踏まえた機能改修を実施し、客観的な方法による職員の勤務時間の把握を進めるとともに、管理職は部下の勤務時間並びに超過勤務の状況及び理由を適切に把握する取り組みを進める。

(2)的確な勤務時間管理による超過勤務縮減と勤務間インターバルの確保等

①超過勤務の縮減
超過勤務の削減に向けて以下の取組を実施する

  • ノー残業デーの設定
  • 超過勤務事前報告の徹底
  • 管理・監督者による超過勤務時間の把握・管理の徹底
  • 上限を超えた超過勤務に係る要因の整理分析
  • 幹部からのメッセージ発信
  • 取得可能な範囲での月一年次休暇の取得推進
  • 会議(打合せ)の勤務時間外に及ぶ開催制限や時間の制限

②勤務間インターバルの確保
各職員の業務の性質や事情等を踏まえた勤務時間の柔軟化を図るため、フレックスタイム制や早出・遅出制度を導入。引き続き柔軟な働き方を推進する。

(3)超過勤務の上限等に関する制度の適切な運用

国家公務員の超過勤務に対する上限等に関する措置に基づき、制度を適切に運用し、上限を超えて超過勤務を命じた場合にかかる整理・分析・検証を着実に行い、必要な改善を図っていく。

(4)人員配置等

「戦略とリソースマネジメントの連動」を目標として、主要目標や注力領域を明確にしたデジタル庁の全体戦略と連動してリソースマネジメントを行いつつ、現場の必要な人員をマネジメントし、所要の機構・定員・予算要求を行っていく。
また、デジタル区分を含む新卒採用や経験者採用のプロパー職員の採用を進めるほか、即戦力としての民間行政人材(官民交流を含む)や民間専門人材として、非常勤職員も積極的な採用を継続する。なお、民間人材の採用に際し、ジョブ型の採用手法を確立し、プロジェクトの優先順位変更に応じて機動的に人員配置ができ、個々人のパフォーマンスが十分発揮される組織体制とリソースマネジメント体制を構築する。

3.マネジメント改革

バックグラウンドの異なる職員が多い職場において、上司の適切なマネジメントは必要不可決である。
職員のやりがい向上や成長促進も含めた管理職のマネジメント能力の向上、マネジメントにおける幹部職の役割の強化、人事当局による支援の強化等に取り組むこととし、これを着実に実施していくため、幹部・管理職のマネジメントや職員及び職場の状況を把握し、改善につなげていく仕組みを構築する。

(1)職員のやりがい向上も踏まえた管理職等のマネジメント向上 【重点項目】

①管理職等が実施すべきマネジメント行動
管理職は、部下職員の勤務時間等も含めた業務状況を適切に把握し、適切かつ柔軟な業務分担や業務の優先順位付け等のコスト意識を持って組織運営に取り組む。
また、部下職員が日々の業務の中でやりがいを感じて意欲的に業務に取り組み、成長していくことで公務のパフォーマンスを高められるよう、定期的に1on1ミーティングを行い、部下職員と積極的なコミュニケーションを図るとともに、適切なフォローを行う。
管理職のみならず、参事官補佐及び主査の職員についても、それぞれの部下職員のマネジメントに取り組むことが重要である。このため、日々の業務の中で、部下の指導・育成といったそれぞれの職位において求められるマネジメントの実践に取り組む。

②管理職等のマネジメント能力の向上
デジタル庁に着任した全ての管理職に、マネジメント能力の向上に向けた研修を受講させる。各幹部・管理職によるマネジメントの実施状況について、多面観察を実施することにより、フォローアップとフィードバックを実施し、マネジメントの改善を促す。
また、幹部職が、部下である管理職によるマネジメント状況を把握し、適切に評価するとともに、人事評価面談や多面観察の結果等を活用し、積極的に助言や指導を行うよう取り組む。

(2)人材育成のための人事当局の役割

①人事異動を通じた人材育成・キャリア形成

  • 人事SaaSの導入により、人事情報や組織構造を可視化することで、適材適所の人材配置を進める。
  • 上長との1on1ミーティングを定期的に実施し、適切なフィードバックやアサインメントに関する対話を通じて本人の成長を促す。

②自己成長の機会提供

  • 高度IT人材としてのスキルを身に付けさせるため、「基本情報技術者試験(FE)」や「応用情報技術者試験(AP)」をはじめとした国家試験合格に向けた講座受講体制を整えるとともに、職員に応じたキャリアパスを示しつつ、 職員の主体的なキャリア形成を支援する。

(3)組織文化の醸成

多様な人材を抱える中、全員が一丸となって目標へ向かうために通底する組織文化の構築のため、ミッション・ビジョンという共通の目指すべきゴールを定めて共有し、バリューとして職員としての行動指針を明確にする。
また、よい組織を作っていくためには全職員の声を正確に反映することが不可欠。そこで、組織サーベイ(職員満足度調査)を定期的に実施し、データドリブンで具体的な改善アクションを行うサイクルを回すことで、デジタル社会における組織づくりの模範となる組織となることを目指す。
さらに、あらゆる立場を超えて、全職員を対象としたトップとの双方向コミュニケーションを行う場として、オールハンズミーティングを定期的に開催する。
そして、それまでの働き方、コミュニケーションの仕方など個々の職員のギャップ解消に向けたコミュニケーションポリシーを策定し、有機的にチーム間が連携し、パフォーマンスを上げるうえでも常にコミュニケーションを取り続けられる職場を目指す。

4.仕事と生活の両立支援

(1)男性職員の育児への参画促進

「国家公務員の男性職員による育児に伴う休暇・休業の取得促進に関する方針」(令和元年12月27日女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会決定)を踏まえ、対象となる男性職員全員が1か月以上を目途に育児に伴う休暇・休業を取得することを目指す。
また、男性職員や管理職に対する両立支援制度の周知等により、男性職員による当該制度の活用を促進し、第5次男女共同参画基本計画(令和2年12月25日閣議決定。以下「基本計画」という。)を踏まえ、男性職員の育児休業取得率を30%以上、男性職員の配偶者出産休暇(2日間)及び育児参加のための特別休暇(5日間)について、対象となる男性職員全員が両休暇合計5日以上取得することを目指す。

(2)仕事と生活を両立しながら活躍できる環境づくり

①働く時間の柔軟化
職員のワークライフバランスの実現や心身の健康確保のためにフレックスタイム制や早出遅出勤務を活用した柔軟な働き方を推進していく。

②代替要員の確保
職員が育児休業等を取得する場合は、個別の事情を勘案した上で、業務の見直し、代替職員の配置、又は人事異動も絡ませながら業務の継続性を確保する。

③休暇の取得促進
夏季休暇を取得可能な時期や、年末年始などの節目において、まとまった休暇取得を推奨するなどの環境整備を図る。
また、職員は取得可能な範囲で月1日以上の年次休暇(月1年休)の取得を心がけ、管理職員は、職員が原則として月1年休を取得できるよう配意する。なお、本人の希望により、業務や家庭の状況等に応じ、翌月以降への繰越しや分割取得も認める等、柔軟な対応を実施する。

(3)両立支援制度の利用と育児休業取得中・復帰後の支援

育児休業や介護休暇など、両立支援制度を利用しやすい職場環境を整える。

女性職員の活躍推進のための改革

デジタル庁は、令和3年9月に設置された組織であり、現在の職員は、各府省等からの出向者(常勤職員)及び非常勤職員で構成されている。したがって、各ポストへの登用は出向元の登用状況に大きく左右されるという特殊事情により、デジタル庁において女性職員の登用目標を設定して計画的に取り組むことは困難を伴うが、出向元の各府省等と協議・連携しながら、女性の採用・登用の拡大に向けた取組を進める。
令和3年度から新卒採用、経験者採用を進めているところ、女性職員の採用目標については、基本計画に定める政府全体の目標を踏まえ、毎年度の、国家公務員採用総合職試験及び一般職試験の採用者に占める女性の割合を35%以上、国家公務員採用試験(技術系区分)の採用者に占める女性の割合を30%以上とする。
また、女性職員の登用目標についても、基本計画に定める政府全体の目標を踏まえ、2025年度末時点における参事官、企画官に占める女性職員の割合を10%、参事官補佐に占める女性職員の割合を17%、主査に占める女性職員の割合を30%と置きつつ、出向元の各府省等と協議・連携しながら登用拡大に努める。

1. 女性の採用の拡大

(1)実効性のある広報活動等の推進

公務に期待される能力を有する多くの優秀な女性を幅広く採用できるよう、内閣人事局や人事院をはじめとする関係機関とも連携しつつ、学生等に向けた説明会等を継続的に実施する。

(2)女性職員の中途採用

経験者採用試験等の積極的な活用を行い、意欲と能力のある職員の採用に努める。

2. 女性職員の登用目標達成に向けた計画的育成

(1)女性職員の職域拡大、人事管理の柔軟化等を通じた女性職員の計画的育成

女性職員の採用目標については、基本計画に定める政府全体の目標を踏まえ、積極的に採用していくとともに、デジタル庁プロパー職員の登用にあたっては、適時適切に学びの場を設けたり、他機関への出向機会を設けるなど、計画的な育成を進める。
また、育児で長期間に渡り職場を離れた場合でも、復帰時のキャッチアップを容易にする支援等、職員の声を聞きながら進めていく。

(2)女性職員のキャリア形成支援

ロールモデルとなる女性職員が歩んできたキャリアパスの事例の紹介等を通じて、若手女性職員の意欲向上を図る。
また、育児に伴い昇任のタイミングなど逸した場合でも、優れた潜在的な能力を持つ女性職員に対しては、多様な職務機会の付与や研修等の必要な支援を積極的に行い、意欲、スキル等を高め、昇任スピードを加速する。

(3)女性職員が抱える悩みや心配の相談ができる体制づくり

仕事と家庭の両立や将来のキャリアに悩む女性職員に適切な相談の機会が確保されるよう、1on1ミーティングの充実の他、女性職員を相談員とする相談窓口を置き、気軽に相談できる体制を整備する。

※本計画における数値目標は、常勤職員数を母数としている。

公表資料