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事業者のデジタル化等に係る関係省庁等連絡会議(第3回)

概要

  • 日時:2024年2月29日(木)13時15分から14時00分まで
  • 場所:オンライン開催
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 議事
      1. 公的手続等のデジタル化に関する対応状況等について
      2. 事業者向け行政手続システム整備に向けた調査の現状
      3. 雇用関係助成金DXの検討状況について
      4. IT導入補助金について
    3. 閉会

資料

議事録等

出席構成員

議長

  • 蓮井智哉(デジタル庁戦略・組織グループ審議官)

構成員

  • 中島朗洋(内閣官房 内閣審議官(内閣官房副長官補付))
  • 中村広樹(内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議 事務局審議官)
  • 吉田宏平(内閣官房 デジタル行財政改革会議 事務局審議官)
  • 伊藤誠一(内閣府 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 谷滋行(警察庁 総括審議官)
    ※代理出席:塩野亜由美(警察庁 長官官房企画課 課長補佐)
  • 尾﨑有(金融庁 監督局 審議官)
  • 近藤玲子(総務省 大臣官房 企画課長)
  • 中村功一(法務省 大臣官房 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
    ※代理出席:小島まな美(法務省 大臣官房 秘書課 政策立案・情報管理室長)
  • 松尾裕敬(外務省 サイバーセキュリティ・情報化参事官)
    ※代理出席:森田光枝(外務省 大臣官房 情報通信課長)
  • 植松利夫(財務省・国税庁 長官官房 審議官)
  • 豊岡宏規(文部科学省 大臣官房 総括審議官)
  • 三田一博(厚生労働省 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 菅家秀人(農林水産省 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 牛山智弘(経済産業省 大臣官房 審議官(IT戦略担当))
  • 松浦哲哉(中小企業庁 経営支援部長)
  • 岡本裕豪(国土交通省 大臣官房 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 神谷洋一(環境省 大臣官房 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 中西礎之(防衛省 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 上口洋司(日本銀行 業務局長)

議事録

蓮井審議官: それでは、時間となりましたので、第3回事業者のデジタル化等に係る関係省庁等連絡会議を開会いたします。

会議の進行を担当いたします、デジタル庁の蓮井でございます。いつも大変お世話になります。今日もどうぞよろしくお願いいたします。

本日の会議でございますが、構成員の皆様にはオンラインでご参加をいただいております。お忙しい中、ご出席をいただきまして誠にありがとうございます。

それでは、早速議事に入ります。1つ目が「公的手続等のデジタル化に関する対応状況等について」、2つ目が「事業者向け行政手続システム整備に向けた調査の現状」、3つ目が「雇用関係助成金DXの検討状況について」、4つ目が「IT導入補助金について」でございます。

それでは、まず議事1の「公的手続等のデジタル化に関する対応状況等について」でございます。国税庁の植松審議官、ご説明をお願いいたします。

植松審議官: 国税庁の植松です。よろしくお願いします。

資料1の「公的手続等のデジタル化の対応状況等について」をご覧ください。これにつきましては、11月30日の第1回の会議におきまして、公的手続等のデジタル化について取り上げさせていただきましたけれども、その対応状況のアップデートのご報告ということでございます。

スライドの2ページ目をご覧ください。まず、2番目のチェックマークの「給与所得情報のマイナポータル連携等の推進」ということで、1番目の矢羽根にありますように、業界団体等に対するe-Tax提出の呼びかけ、それから2番目の矢羽根にありますように、所管独立法人等の職員等を含めた確定申告におけるe-Tax利用の呼びかけにつきましては、対応状況のところですけれども、青字のところは前回ご報告したところでございまして、赤字が今回アップデートしたものでございます。いずれにつきましても、各府省庁等において周知を実施していただいているという状況でございます。

2番目のチェックマーク「マイナポータル連携の対応事業者の拡大」につきましては、控除証明書等発行団体の所属する所管の業界団体に対する働きかけをお願いしているところでございますけれども、金融機関団体、生保協会、損保協会への取組の説明を1月に実施しておりまして、さらに通知の発出などに向けて準備・調整中ということでございます。

2番目の矢羽根の業界団体に対する年末調整手続の電子化につきましても、先ほどの給与所得情報のマイナポータル連携と併せまして、各府省庁等におきまして周知を実施していただいているという状況でございます。

スライドの3ページ目をご覧ください。3番目でございますけれども、「申請における納税情報の添付自動化の推進」ということで、納税情報が必要な申請システムの改修の可否・時期等の検討を各府省庁にお願いしまして、その検討状況の回答を受領しているところでございます。中は要検討の回答が非常に多いわけでございますけれども、優先度の高いシステムにつきましては、今後、個別に国税庁から相談をさせていただきたいと考えてございます。

2番目の矢羽根の部分の地方自治体と金融機関団体に対する呼びかけにつきましても、金融機関団体への取組の説明を随時実施しておりまして、さらに通知の発信などに向けて準備・調整中でございます。さらに、地方自治体への周知に向けても関係省庁と準備・調整中という状況でございます。

4番目の「預貯金等照会のオンライン化の拡大」につきましても、金融機関団体への取組の説明を1月、2月にかけて実施している。さらに通知の発出などに向けて準備・調整中でございます。さらに、地方自治体に向けましても、周知に向けて関係省庁と準備・調整中ということでございます。

最後の4スライド目をご覧ください。先ほど申し上げました、マイナポータル連携等を活用した確定申告の推進、具体的には給与情報の自動入力の関係、それから自宅からのe-Taxの利用、そしてマイナポータル連携等を活用した年末調整の推進ということで、各府省庁に周知を依頼したところでございますけれども、周知実績として右の表に整理してございます。各府省庁間で重複等もありますけれども、全部で14府省庁におきまして2,600を超える団体への周知を実施していただいているという状況でございます。ご協力に本当に感謝申し上げたいと思いますし、おかげさまをもちまして、2月16日からの確定申告におきましても大きな混乱は今のところないという状況でございます。引き続きご協力をお願いしたいと思います。

私からは以上でございます。

蓮井審議官: ありがとうございました。

この件につきましては、私どもからも改めて、関係省庁の皆様方のご協力によって2,600を超える団体等に周知がされたということで、本当にありがとうございます。当庁幹部にも報告してございまして、引き続き皆様方のご協力をいただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。本当にありがとうございます。

今のご説明につきまして、ご意見、ご質問等がございましたら、お願いいたします。

よろしゅうございましょうか。

それでは、議事2つ目の「事業者向け行政手続システム整備に向けた調査の状況」に移ります。デジタル庁の吉田企画官からご説明をお願いいたします。

吉田企画官: 今、ご紹介にあずかりました、デジタル庁で企画官をしております吉田と申します。

資料2に基づき、事業者向けの行政手続システムの整備に向けた調査の状況ということで、前回以来お伝えしている調査の進捗状況についてご報告させていただきます。

繰り返しで大変恐縮ではございますけれども、今回、取組としましては、デジタル庁のほうで共通機能として様々な認証、署名といったサービスを各行政機関、事業者手続向けに活用していただくというところを進めていくに当たって、各省庁の今のシステムの手続の電子化状況というところを調査させていただくという趣旨になってございます。

今回でございますが、主に事業者向けの行政手続というところと、補助金申請というところの把握という形で進めさせていただきます。こちらを通じまして、GビズID、Jグランツという共通機能の導入のサポートを我々としても進めていきたいと考えているところでございます。

今回、まずは補助金の調査のほうを中心に先行して進めていきたいと考えてございます。こちらの背景としましては、資料にもございますとおり、秋の行政事業レビューでも事業者向けの給付であったり補助というところの中で、不正受給等の問題であったりといったものがある中で、きちんとデジタル化して補助金申請等の効果検証というものを進めていくべきというお話がされているところでございます。こういった中で、デジタル行財政改革会議の中間取りまとめにおいても、今後2025年度に向けて補助金についてはオンライン申請原則という形にしていこうという方針が出されているところでございます。こうしたものを進めるに当たり、まずは補助金の電子化というところがどのような形で進んでいるかの調査を先行して進めていくというところで考えております。

こちらを進めるに当たり、前回プレゼンでもご紹介したような、我々はDXSと呼んでますけれども、Excelで管理するのではなくて、いわゆるシステム上でどういった状況なのかというのを登録していただいて管理するようなやり方で進めていこうと考えております。

こちらを活用するに当たり、各省庁様とのコミュニケーションの手段としてデジタル庁のほうで整備しておりますデジタル改革共創プラットフォーム、こちらはSlackというチャットツールになりますけれども、PMOの皆様にご参加いただいて情報交換しながら進めていければということで、活動を進めているところでございます。

現状、まず共創プラットフォームに入っていただくところに関しましては、現在22省庁で進めていただいているというところになってございます。こちらの導入に当たっては、デジタル庁からも実は民間出身のデジタル人材をDX推進員という形で派遣してございますけれども、こういった方々のサポートもいただきながら導入が進んでいるところでございます。

実際にどういったサポートをしているかというところ、各省庁のシステム環境においてなかなか接続のハードルというところが大きかったり、各省庁でセキュリティー要件というものが少し異なるという中で、どうやったらこれを活用できるのかというところの調整をかなり進めていただいており、まずは22省庁でこの共創プラットフォームの活用や、DXSの活用に進んでいるという形になってございます。

現状、DX推進員はデジタル庁のリソースの問題もございまして、15省庁にそういった専門人材の派遣ということをさせていただいていますけれども、資料に記載の省庁で人材のサポートをさせていただいています。

今回、補助金の調査という中で、財務省様のほうで補助金管理システムという形で補助金のデータを持ってございまして、こちらを下敷きにして調査を進めていくというところを考えてございます。ただ、各補助金の情報は各省庁様の管理のものであると考えておりますので、そちらを活用していいかというところの同意をいただいて、そちらをベースに調査を進めるという形で、現在、22省庁に利用の可否で同意をいただいているところでございます。

実際に財務省の主計局の総務課様に先ほど申し上げたとおり補助金の情報をいただくという形で、活用させていただく上でかなりご協力いただいたというところになってございます。こちらの活動は引き続き全府省庁で進められるように取組を進めてまいりますので、まだ進んでいない府省庁におかれましては、いま一度ご検討いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

その上で、調査をした結果として実際に補助金の電子化が進んでいないという中で、先ほども申し上げた共通機能としてのJグランツの利活用を進めていく上で、参考情報として本日はJグランツの状況についてご紹介させていただきます。

こちらのJグランツに関しましても、現在、28省庁のうち14省庁で各補助金をご利用いただいているところでございます。加えまして、自治体で申し上げますと28の都道府県と16の市区町村というところで、市区町村についてはどちらかというと政令市等の大きいところが多くございますけれども、そういったところでご活用いただいているところでございます。

こちらは、来年度公開を予定する事項でございます。その中では、今のJグランツのユーザーインターフェース等の使い勝手が悪いというご意見もいただいているところでございますので、そういったところの改善と併せ、年間1,000万件ぐらいを処理できるような処理能力の拡充というところも考えてございます。これまでは100万件以下の処理能力しかなかったところでございますが、かなり拡張して、かなり大量の申請があるような補助金にも対応できる環境を整備していこうと考えてございます。

下のところに補助金事務局向けの「次期システムの画面例」と書いてございますけれども、実際に補助金のフォームやプロセスのフローをJグランツ上で作っていただくわけですけれども、これまで以上により分かりやすいような形に改善されるような予定となってございます。

加えまして、補助金を申請する事業者側にとってもどんな補助金が掲載されているのかというのが検索しやすいような画面になってくるというところで、来年度、整備を進めていくというところになってございます。

こちらは、我々デジタル庁でもJグランツの導入支援という形で、毎月オンラインセミナーを開催させていただいております。こちらは補助金事業の電子化を検討されている方向けに、まずはJグランツの概要やメリット、実際に使うに当たってどういったものを参照すればいいのかというところをご紹介させていただいています。こちらは3月は21日に開催しますので、ぜひ今後、補助金を執行されていくような原課の方々にこういった情報もご紹介いただければと考えております。

さらに、実際に利用の段階になった場合にセットアップ等で悩まれる部分があった場合に、個別相談会というところも設けさせていただいてございますので、こちらについても事務局の方で実際にJグランツを触ってみて分からないというところがあれば、ご予約いただいてご活用いただければというところでございます。

補助金申請の電子化というところでなかなか自分の省庁等でシステムを組むというところが難しい際に、このJグランツを活用していただいたほうが迅速に進められると思いますし、ユーザーから見た場合にもワンプラットフォームで補助金申請ができていくというところが利便性につながってまいりますので、ぜひご活用のご検討をいただければと思っております。

私からは以上になります。

蓮井審議官: ご説明ありがとうございました。

本件につきましては、先ほど吉田企画官からもお話がありましたとおり、財務省主計局の皆様にもご協力いただきまして、厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。

また、本件のお問合せにつきましては、共創プラットフォームのSlackなどを通じてのお問合せも可能でございますので、そういったものもご活用いただきながら、また、先ほどのセミナー等もよろしければ多くの方にお聞きいただいて、Jグランツの導入等についてぜひご検討いただければと思っております。よろしくお願いいたします。

ただいまのご説明につきましてご意見、ご質問等がございましたら、お願いいたします。

よろしゅうございましょうか。

それでは、議事3の「雇用関係助成金DXの検討状況について」でございます。厚生労働省の石垣審議官からのご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

石垣審議官: 厚生労働省の職業安定局担当審議官の石垣です。どうぞよろしくお願いします。

私どもからは「雇用関係助成金のDXの検討状況について」ということで、資料3に沿ってご説明をさせていただきたいと思います。

1枚おめくりいただきまして、雇用関係助成金でございますけれども、これは例えば景気が悪いときに雇用調整助成金、あるいは今は年収の壁対応ということでやっているキャリアアップ助成金がありますけれども、各種助成金の雇用関係のものを私どもはやっております。年間支給決定件数が上に書いてありますように約40万件ということなのですけれども、これもコロナや大きな景気変動などがあった場合には、例えば雇用調整助成金ですと100万件、200万件と年間で出る場合もありまして、非常に申請件数の波動が大きいものになっています。

これにつきましての現在の業務フローですけれども、資料に書いてありますとおり、計画届を提出していただきまして、それに対してハローワークで確認をして、取組を実施した後が②ですけれども、支給申請ということで、計画届を出していただいた後に支給申請がありまして、ハローワークや労働局で審査をして支給決定し、助成金の振込をするという大まかな流れになっています。

これにつきまして、下の具体的見直しの方向性でございますけれども、業務については見ていただきましたように大きく2つあります。一つは下の表の左側ですけれども、計画届の提出や支給申請に関わる部分の取扱いです。もう一つはその下の審査に関わる部分です。

計画届の提出や申請のところですけれども、現状の取組としましては、昨年4月以降、GビズIDを活用した専用ポータルで電子申請を順次開始しているところでございます。審査のほうについては、専用ポータルでは今から申し上げるような機能で省力化の実現をしています。各種情報はハローワークで保持している情報とシステム内で照合しまして、不備があった場合の問合せや書類の提出もシステムでできるようになっているというところではございます。

ただ、DXに向けた課題というところでは、右側になりますけれども、オンライン申請は可能となっているのですけれども、紙でもともと出していたものをただPDFにして申請のシステムに乗せているというところが正直なところでして、全然業務が効率的にできるような形になっていないというのが現状でございまして、これは後ほど申し上げるような助成金の要件や手続自体を見直していく必要があるという課題があります。

もう一つは、現実問題、法律で事業所ごとに賃金台帳や出勤簿や雇用契約書は備えるようになっているのですけれども、これの作成や管理方法というのが、要件さえ満たしていればばらばらでもいいということになっていますので、これはPDFや紙で提出を求めた上で、お恥ずかしいのですがそれを紙で出力した上で職員が確認して、さらにシステムに打ち込むということをやっていますので、これがデジタルで全部できるようにしなければならないというところが問題意識でございます。昨年末から省内で検討チームをつくりまして、検討を始めたところでございます。

続いて、資料の4ページになります。まず、申請項目や添付書類の簡素化に関する点ですけれども、先ほど申し上げましたように、今の助成金は紙の申請の頃の流れをベースとした業務フローになっていまして、効率化がされていないというところがあります。

2つ目の丸ですが、不正受給を防止するという観点がありまして、かなり多くの添付書類を求めています。それで事前によく審査をして、不正受給が発生しないようにやっているのですが、現実にはそれなりの不正受給が発生してしまうという状況になっています。

3つ目ですけれども、不正受給が起きないようにするということはあるのですが、申請手続を簡素化して申請者の負担軽減をして、また、私どものほうでも審査業務の効率化を図れるようにしなければいけないということがありますので、助成金制度や業務のプロセス自体のところから抜本的に見直したいと考えています。助成金自体は数十ございますので、今、主な助成金の見直しは具体的にどのように見直せばいいのかというところを取り組んでおりまして、それができれば、類似の助成金に広げて展開していくという形で進めていきたいと思っています。

見直しに当たっては、後ほど申し上げますけれども、5つの視点が必要だと思っておりまして、それに沿って大幅に削減をしていきたいと思っております。紙やPDFによる情報の提出は原則廃止をしまして、申請から給付までデジタルの情報で完結させたいと思っています。

一方で、私どもは文書の電子保存の率も非常によくないということでご指摘をいただいているところでございまして、デジタルで全部できるようになれば、こういうところも非常に影響が大きいと思っておりますので、そういう観点でも取り組んでいきたいと思っております。

次の5ページになりますけれども、見直しの視点として5つの点でと申し上げました。それがこれでございまして、制度・プロセスの見直しというところで、簡単に申しますと、助成金制度自体を見直したいと考えています。もともといろいろな政策目的や経緯があってつくっている助成金ですけれども、つくった結果、非常に複雑で分かりにくくなっていたり、同じようなものなのに手続が少しずつ違っているということは非常によくないと思っておりまして、計画書の提出はそもそも必要あるのかとか、申請回数をどうすればいいのかというところから見直したいというのが1点目です。

2つ目の支給要件も同じような話がありまして、経済対策やいろいろなところで助成金をつくったりしたときに、経緯経緯でその都度つくっているというところが、今回、ゼロベースで見直しを行って、共通でできるものは共通でくくるということを念頭に置いてやっていきたいと思います。

3点目、申請項目の見直しですけれども、これも現在の申請項目が本当に審査に必要なのかとか、効果があるものなのかというところをしっかりと見直したいと思っております。また、特に既にほかのシステムで入手できている情報、例えば私どもで言えば雇用保険のシステムのほうで被保険者番号といったものが入手できるということがありますので、そういう場合には重複して提出を求めなくても済むようにするといった、申請のときに出していただく項目の見直しもしたいと思っています。

添付書類ですけれども、これも先ほど申し上げたように不正受給防止や適格審査の関係でかなり求めていますけれども、こういうものを求めてもなかなか効果が上がらないということもありますので、必要なものはもちろん求めるのですけれども、あとは実際に実地で確認するほうに力を入れていくといったことも含めて見直しをしていきたいと思っています。

あとは5番目ですが、申請様式自体が各助成金でばらばらになっているものがありますので、これも共通化していきたいということです。

こういった5つの視点で見直しをしていきたいということでございます。

続いて、添付書類のデジタル化でございます。7ページの一番上の丸ですけれども、現在、添付書類は紙やPDF形式で提出されておりますが、これを一回打ち出したりという非効率なことになっておりますので、助成金制度の見直しと併せまして添付書類のデジタル化、様式の統一を進めて効率化させていきたいと思っています。

2つ目の丸ですが、企業で人事労務管理をやっていただいていますけれども、大手企業ですと自前でつくっていたりするところもあれば、中堅企業、中小企業になりますと、市販のソフトがいろいろ出ていますので、何十社もある会社のそれぞれのシステムを使っているという場合もあります。また、小規模企業になりますと、独自でExcelのシートなどを使っていたり、紙であったりしますので、ばらばらになっています。

それから、3つ目の助成金のプロセスですけれども、こういうものをデジタルで申請するときには、ばらばらになっているものを我々の助成金ポータルとのAPI連携、あるいは標準様式を示してそれで申請をしていただくといったことをすることによってなるべく共通で処理できるようにしていきたいと思っております。

この際、括弧書きで一番下に書いておりますが、先ほどお話のありましたJグランツさんというものもだんだん容量が大きくなったり、使い勝手もよくなっているというお話ですので、そういう政府全体の見直しの方向も見ながら足並みをそろえて、将来的に共通でやっていくということも可能性としてあり得ると思いますので、そんなものも留意しながら取り組んでいきたいと考えております。

そういう取組を可能なものから順次進めたいと思っておりまして、必要なものについては来年度の概算要求などでも要求して進めていきたいと思っております。

雑駁な説明になりましたが、最近になって普及に取り組んでおりますので、まだまだ経験値も足りませんので、皆様にいろいろ教えていただきながら取り組みたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。

以上です。

蓮井審議官: 石垣審議官、どうもありがとうございました。

BPRの観点や、ワンスオンリーなど、デジタル原則にのっとった形で見直しを進めていただいて、本当にありがたいと思っております。デジタル庁としてもできる限り協力をさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

ただいまの石垣審議官のご説明につきまして、ご意見、ご質問等がございましたら、お願いいたします。

このような厚生労働省との連携は非常に重要だと思っていまして、ほかの省庁の方でももしこういったお話がございましたら、前向きにおっしゃっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

では、次に議事4の「IT導入補助金について」に移ります。中小企業庁の松浦経営支援部長、よろしくお願いいたします。

松浦部長: ご紹介にあずかりました、中小企業庁経営支援部長の松浦と申します。今、共有させていただいております資料に基づいてご説明申し上げます。

IT導入補助金ですが、これは2017年から補助金を立ち上げておりまして、中小企業、小規模事業者といった方々の労働生産性の向上がひいては賃上げにつながるということで、まさに業務効率化、DX等に向けたITツール、ソフトウエアといった物事の導入を積極的に支援してまいります。

対象のツールについては、そこに書いておりますように各種ソフトウエアとか、あるいはそれだけではなくて、例えばIT導入というのは当然小規模事業者や中小企業にリテラシーがなかなか欠けている部分へのサービスとしてのアドバイスや、導入促進のためのそういうサービス利用についても我々のほうで利用の費用を補助しているということであります。

また、この資料の真ん中辺りに青で「インボイス枠」というのがありまして、インボイス枠自体は2年前から導入しておるのですが、まさにそこに「インボイス対応類型」ということでインボイス制度が昨年10月から導入されているわけですけれども、それに先駆けてインボイス制度に関する会計処理等々についてのITツール導入におけるバックオフィスの労働の軽減というのを図るために、我々としても取り組んでいる次第であります。

次のページは割愛しまして、具体的にどういった形で中小企業が利用されているかというので、2から3の実例をご紹介したいと思います。

まず1点目は、今、ご覧になっている、福岡県の小売業でOAなどの機器の販売をされている会社さんであります。この会社さんは特に携帯電話の関連機器を扱って、写真ではドコモショップが書いてあるように携帯の扱いが大きいのですけれども、皆さんご存じのように携帯電話に関するアイテムというのは年々増えていく中で、実はこの会社さんは手作業で在庫管理などをされておられたと。当然それには限界があるわけでして、そういう中でIT導入ということでICタグ、RFタグを読み取ることによってリアルタイムでの在庫管理を行うことにより棚卸し時間の軽減を図るということを達成されたわけであります。右方の成果として、各店舗に導入したわけですが、棚卸し時間を50%削減見込みということで、最近非常に人手不足が問われている中で省力化をやることが、ひいては中小企業の生産性向上に資するのかなと思われます。

次のページは、ケーズメタルさんという富山県の会社さんですけれども、金属製品の精密加工をされておられます。この会社さんの抱える問題というのが、経理関係です。経理で試算表を月次なり四半期で作るわけですけれども、これを作るためのやり取りを紙ベースで会計事務所とやっているということで、試算表を作るために2か月かかってくる。これだと月次の会計処理などができないという状況にあります。

そのため、今回TKCさんがご用意されているようなITツールで、まさに電子帳簿などといったリアルタイムでの会計事務所とのクラウドを通じたデータの共有ということを導入することによって、試算表の作成についてこれまで2か月ベースで作っておったものが半分の1か月。これによって月次の試算表の管理が可能になるということで、非常に経理の健全化においても意義のあるケースだったと捉えております。

3点目ですけれども、ここはビルメンテナンス業をやっておられる、まさに被災された金沢市の企業さんですけれども、この企業さんの問題は、勤務シフト。当然ビルメンテナンスは勤務シフトが大変なのですけれども、前日、前々日ぐらいのぎりぎりになって勤務シフトを作成しておったと。そうしますと、どうしても従業員の方もあまり先が見えなくて、要するにご自身のスケジュール管理にも影響してくると。そういう中で今回導入したITツールというのが、まさにAIを活用しながらガントチャートを作っていくと。こういうふうに先取りしながらチャートを作っていくことで、これまでは前日、前々日になってようやくシフトができていたのが、これを導入することによって一月先まで勤務シフトが組めるようになった。これによって従業員の皆様においても予定に関するストレスが大分軽減されているということで、まさにこういったビルメンテナンスなどといった中小企業、小規模事業者は人繰りが大変です。人を集めるためには、就労環境といったものがいい環境をご用意することで人材を確保するという意味においても、こういった効率化、省力化は非常に大変だと思いますが、頑張っていこうということで、我々も引き続き支援していきたいと考えております。

私からの説明は以上でございます。

蓮井審議官: 松浦部長、ありがとうございました。

中小企業のDXが進んでいくためのツールだと思いますが、第1回から申し上げていますけれども、中小・小規模事業者のDXは極めて重要でございます。そういう意味でまさに事業者DXの中核でございますので、これが取引からさらに決済なども含めて広くつながっていくような仕掛けにしていけるといいと思います。こういったツールを各省の皆様にもご理解いただいて、所管の業界等にもご紹介いただく等してご活用いただければということでございます。ありがとうございます。

ただいまのご説明につきまして、ご意見、ご質問等がございましたら、お願いいたします。

よろしゅうございましょうか。

以上で全ての議事についてご説明が終わりました。

本日、まず厚生労働省の石垣審議官から雇用関係助成金のDXの検討状況、また、中小企業庁の松浦経営支援部長からIT導入補助金のご紹介もいただきました。また、前回の会議で国税庁の植松審議官から、地域の国税局や税務署における事業者のデジタル化に向けた関係団体や他省庁などと協力した取組もご紹介いただいたところでございます。

また、各事業所管省庁の皆様方にもご協力いただきまして、幅広い業界団体等に周知もいただいているということで、改めて御礼申し上げます。こうした取組を現場ベースで実現可能なところから連携を進めることができるように、各省庁における地方支分部局での会議などを活用することなどを通じまして、連絡会議の取組の趣旨などの紹介や周知をお願いしたいと思っておりまして、私どもといたしましても、可能な限り現場に赴いて周知することなどを検討しているところでございます。

引き続き、所掌分野におけるDX化の取組、あるいは関係省庁などで連携の上、地域の事業者に周知したい情報、あるいは取り組みたい案件がございましたら、本連絡会議で共有をしていただくことによってより一層関係省庁等の協力・連携を深めていければと思っております。

後日、事務的にも照会させていただければと思っておりますので、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

以上で本日予定しておりました議事は終了となります。皆様、本当にありがとうございました。

次回の会合の日程につきましては、後日、事務局よりご連絡をいたします。

本日は皆様、お忙しい中、ご参加をいただきまして誠にありがとうございました。以上で関係省庁等連絡会議を終了いたします。誠にありがとうございました。