本文へ移動

河野大臣記者会見(令和5年8月8日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和5年8月8日(火)11時02分から11時25分まで 於:オンライン)

1. 発言要旨

まずマイナンバーカードと健康保険証の一体化、これは質の高い医療の提供につながる一方で、国民の皆様の不安を払拭して活用していただくということが重要です。

デジタル庁では、駅や市役所など国民の皆様の身近な場所で、実際にマイナンバーカードを健康保険証として利用を体験してもらうマイナ保険証体験会をやっていきたいと思います。この体験会は、デジタル推進委員によるサポートの下で、実際にマイナ保険証で顔認証による本人確認を体験していただくことで、いざ医療機関に行ったときに安心してマイナ保険証をお使いいただくことができるようにという取組です。

今月3日、前橋駅において先行的な体験会を行い、岸田総理にご自身のマイナンバーカードで体験をいただきました。今後、市役所や町村役場などでマイナンバーカードの受け取りに来られる方に対しても、その場ですぐにマイナ保険証を体験できるようにしていきたいと思っております。まず明日、茅ヶ崎市役所において体験会を行う予定にしております。私も視察しようと思っております。

引き続き、マイナンバーカードの利用促進に努めてまいります。

行政手続における押印ですが、行政における事務手続において、認印の押印を求められるという報告が最近もありました。押印見直しの議論をしていた当時は、登録印を押すというのは見直し対象にはしておりませんでしたが、その際に登録印を押しますということだったものが実際の運用では認印でいいとされていることがありました。そういうものについて、いくつか報告が上がっていますので、関係省庁と連携して今対応を行っております。

デジタル化の推進にそぐわない認印の押印については、規制改革を担当する岡田大臣と連携しながら見直していきたいと思います。そういうケースがありましたら、ぜひご連絡をしていただきたいと思います。

東京電力福島第一原発のALPS処理水の海洋放出と日本産食品の安全性に関する内外の消費者への情報発信、これを強化してまいります。

今年1月、消費者及び食品安全担当大臣として、ALPS処理水の海洋放出と日本産食品の安全性、この関係につきまして、日本語、英語、中国語の簡体字・繁体字・広東語、韓国語でこれらのメッセージ動画を作成いたしました。処理水の海洋放出が見込まれるなか、処理水が海洋放出されても水産物を含む日本産食品の安全性に影響は生じませんということを内外の消費者を対象に積極的に情報発信することとしたい。

具体的には、消費者庁のツイッターに「日本にお越しの外国人の皆様へ」と題して多言語で発信をします。またこのツイートを外務省、観光庁などから日本にいらっしゃる外国人を意識してリツイートしていただきます。また消費者庁のウェブサイトで中国語及び韓国語のメッセージ動画を配信する。それと合わせて、日本の在外公館においてこの動画を活用して日本産食品の安全性に関する情報発信を行ってまいります。また消費者庁の食品安全のリスクコミュニケーションに関するイベントで、中国語、韓国語を含む多言語のリーフレットを配布するとともに、デジタルサイネージでメッセージ動画を放映します。

関連するURLを是非ご参照いただいて、これらの情報発信の取組について、メディアの皆様にもご理解、ご協力をお願いしたいと思います。

ビッグモーターの不正事案に関する消費者庁の対応について、まずお知らせします。

この事案につきまして、現在、国土交通省、金融庁が所管法令に基づく報告徴収等を実施し、事実関係を確認されていると承知しておりますが、消費者庁においても8月3日に、公益通報者保護法の遵守状況あるいは遵守されていない場合の改善策などについて報告を求めたところです。

これらは事業者に対する対応ですが、この事案においては保険金の不正請求による保険料への影響といった消費者被害も生じていると報じられております。消費者庁に対しても、中古車の売買についての心配の声が寄せられており、消費者に対する被害救済・被害予防の観点からの対応が急務な状況であると思います。

そのため、この事案を重要な消費者問題であると受け止め、私から消費者庁に対して2点指示をいたしました。具体的には、新しく寄せられたものを含め、消費者相談の内容を精査して、消費者庁所管の法律に基づき適切な措置を講ずることを始め、関係省庁とも連携して対応を強化すること。もう一つは保険金の不正請求に関する被害救済が確実に実施されるよう、金融庁としっかり連携し、また関係業界と連携して、相談受付体制を強化することを指示いたしました。

関係省庁と連携しながら、これら2つの取組を実施することで、この事案における消費者被害について確実な救済・予防を図っていきたい。

もう一つ、消費者及び食品安全担当の大臣として報告いたします。令和5年度の「消費者志向経営優良事例表彰」の募集を本日から開始いたしました。

消費者庁では、事業者が消費者と共創・協働し社会価値の向上を目指すことで、消費者だけでなく従業員の満足度も高まり、ひいては事業者の成長にもつながっていくという消費者志向経営を推進していきたいと思います。

その一環として、平成30年度から優れた事業者の取組を表彰してきているところで、今回が6回目の募集となります。事業者の皆様にふるってご応募いただき、先進的な取組の表彰を通じて消費者志向経営をより一層広めていきたいと思います。

国家公務員制度担当大臣としてご報告いたします。

昨日、国家公務員の給与改定に関する人事院勧告を受けました。昨日持ち回りによって第1回の給与関係閣僚会議を開催し、国家公務員の給与の取扱いの検討に着手したところです。またその旨、今日の閣議で報告いたしました。

今回の勧告は、民間給与の実態を反映し、月例給について過去5年間の平均と比べて約10倍となります0.96%のベースアップ、それからボーナスについても昨年に続き、引き上げるという勧告をいただきました。在宅勤務を中心とする働き方に対応した手当の新設についても勧告をいただいております。政府としては、人事院勧告制度を尊重するという基本姿勢に立って、国政全般の観点から検討を進め、早急に結論を出す必要があると考えております。

また今回は給与の勧告のほか、現在、育児あるいは介護をしている職員のフレックスタイム制で認められている措置を、一般の職員にも拡大する。4週間の勤務時間の総量を維持した上で、勤務時間を割り振らない、いわば勤務しない日を週1日を限度に設定できる。4週間の勤務時間の総量を維持した上で、週1日、勤務時間のない日を設定できるフレックスタイムの柔軟化についての勧告をいただいたところですので、これについても必要な対応を検討してまいります。

また勧告に合わせて提出された報告では、公務員の人事管理について有識者による会議を設置し、課題横断的な議論を行うという旨表明がありました。広範かつ複雑な多くの行政課題に適切に対応していけるよう、公務員の人事管理について様々な議論が行われることを期待しております。

先の通常国会における国会対応業務、及び令和4年度の働き方改革の職員アンケートについて結果がまとまりましたのでお知らせします。

先の通常国会における国会業務に関するデータの集計について申し上げますと、単純な比較ができるわけではありませんが、質問通告の平均時間、全ての答弁の作成に着手可能となった平均時間、全ての答弁書作成が終了した平均時間、いずれについても全体的に去年の臨時国会の結果より早くなりました。国会のご協力に感謝申し上げたいと思います。

一方で、個別に見ますと質問通告が前日の18時より後になっているものが約3%もあります。またレクの実施方法も、通告時間が早ければ早いほどオンラインでのレクの割合が高いという傾向が見られることからも早い時間の通告をお願いしたいと思います。

他方、答弁作成が着手可能になってから終了するまでの時間が若干延びております。政府側としてもデジタル技術の活用や業務そのものの見直しなどをしっかりと行って、政府全体としての効率化に取り組んでいくことが必要ですので、内閣人事局としては各府省の好事例を横展開していきたいと思っております。

私としては、職員の負担感の大きい国会対応業務の改善に継続的にこれからも取り組んでいくことが重要であると思いますので、定期的に状況を把握していきたいと思っております。

また昨年11月から12月にかけて、全ての国家公務員を対象に実施しました、働き方改革の職員アンケートの結果の公表についてお知らせいたします。このアンケートは、働き方改革の実感あるいは業務見直しの実施状況について調査し、6万人を超える職員から回答いただきました。アンケートの結果によりますと、働き方改革が進んだと実感された回答は、その前の調査から1.9ポイント増加し66.4%になりました。

働き方改革に関する政府の取組が浸透してきていることがうかがえます。
引き続き国会のご理解・ご協力もいただきながら、業務の効率化、デジタル化の推進、マネジメント改革など、霞が関の働き方改革をより一層強力に推進していきたいと思います。

2. 質疑応答

(問)昔の事案になるのですけれども、ワシントンポスト紙が今日、2020年の秋に中国人民解放軍のハッカーが日本政府の防衛機密を扱うシステムに侵入していたことが分かったというふうに報じています。2020年秋というと、河野大臣がちょうど防衛大臣だった時期と重なる可能性もあると思うのですけれども、この事実関係について大臣が把握されている範囲で教えていただければ幸いです。

(答)防衛省にお尋ねいただきたいと思います。

(問)処理水の海洋放出に関する情報発信の強化について伺います。発信する情報というのは、食品の安全性に特化した情報なのか、それとも処理水の海洋放出で問題がないという類いの情報なのか、お伺いできればと思います。食品の安全性に特化する場合は、それは被災地の食材、いわゆる福島産のものに関する情報なのか。最後に1点、デジタルサイネージを提示する想定している施設などはありますでしょうか、教えてください。

(答)作成をしたメッセージ動画は、今回海洋放出が予定されている処理水はトリチウム以外の放射性物質については基準を満たすまで浄化され、トリチウムについても規制基準以下になるまで海水で希釈をするものだということ。それからトリチウムは、水道水や食料を通じても、私たちの体に取り込まれ、体内には蓄積せず、食物連鎖などで魚などの水産物の中に濃縮されるということもありませんということ。それから放出後はトリチウムのモニタリングを行って、結果はわかりやすく情報を提供していくということ。また日本の食品については、世界標準に比べて極めて厳しい基準値による検査、それから国内外に流通する食品には科学的な安全性が確保されている、こうしたことを発信するメッセージ動画になっております。デジタルサイネージをどこでやるか、すみません、今、手元にありませんので、消費者庁にお尋ねいただきたいと思います。

(問)靖国参拝についてお伺いします。15日終戦の日に合わせて靖国神社を参拝する予定や、真榊を奉納する予定はありますでしょうか。

(答)特にありません。

(問)ビッグモーターに関する指示について教えてください。消費者相談の内容を精査することと、相談体制の強化を指示されましたけど、両方とも基本的にはビッグモーターに特化してのご対応ということでよろしいのでしょうか。

(答)今回のビッグモーターの事案でございます。

(問)相談体制の強化などで具体的な指示した内容を教えていただけますでしょうか。

(答)先ほど申し上げたとおりでございますので、まず相談内容の精査などをした上で、窓口で損保各社あるいは関係省庁と連携するように指示したところでございます。何かもう少し具体的な対応が必要になれば、その都度ご報告したいと思います。

(問)消費者委員会の2つのワーキンググループがまとめた報告書について、前回大臣から明確なお答えがいただけなかったので、再度質問させてください。今、重要な局面だと思います。不意打ち性のあるチャット勧誘について、勧誘規制を導入しろという提言と、もう一つは極悪層の破綻必至商法について、消費者庁による破産申し立て権限を創設するなどの提言が出されています。消費者庁はこの報告書の内容を真摯にしっかりと受け止めて対応をされるのでしょうか。大臣のご所見をお聞かせください。

(答)はい、そのとおりです。

(問)ALPS処理水の安全性の発信をされるということなのですが、一方で風評被害を決める要素としては、安心感がどこまで広がったのかというのがあると思うのですが、この安心感に関する調査はされる予定はないのでしょうか。中国・韓国・諸外国でまだ安心感が十分広がったとは言えない状況だと思うのですが。それと風評被害の最大額はどれぐらいと見積もっておられるのでしょうか。そういう調査がないとどれぐらい広がるか見通せないと思うんですが、2点よろしくお願いします。

(答)消費者庁としては、中国・韓国で調査を行う予定はございません。関係省庁、外務省あるいは農水省等が行うかもしれませんので、お尋ねをいただきたいと思います。
(以上)