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河野大臣記者会見(令和5年7月7日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和5年7月7日(金)10時30分から11時00分まで 於:オンライン)

1.発言要旨

マイナンバーカードの関連の事案についてお知らせいたします。
まずコンビニ交付の件ですが、富士通Japan社につきまして、引き続き過去の全ての制度改正及び不具合修正のプログラムを改めて洗い出して、全ての団体のシステムに対してその適用状況を再確認する、そういう作業を実施しているところです。

公金受取口座につきましては、誤登録ではありませんが、あえて家族口座などを登録したと思われる方々がいらっしゃいますが、そうした方々に対して、マイナポータルの通知機能によって修正のお願いをしております。7月5日(水)までにお知らせの連絡を完了いたしました。重ねてのお願いになりますが、公金受取口座がご本人のものでない場合には給付の遅れにもつながるために、ご本人の口座に登録の変更をお願いしたいと思います。

ご自身の様々な登録情報、あるいは紐付けの誤りがないか、ご心配の声をいただいております。ご自身の登録情報の確認のためには、お手持ちのスマートフォンなど、ICカードを読み込める端末に、マイナポータルのアプリをインストールしていただいて、マイナンバーカードをかざしてログインすることで確認することができます。是非、お手持ちのマイナンバーカードでご確認いただくとともに、万一、他人の情報らしきものが確認された場合には、マイナンバー総合フリーダイヤル「0120-95-0178」にお電話いただきたいと思います。大切な個人情報を保護するためでございますので、お手数ですがご協力をお願いしたいと思います。

マイナンバーカードの返納について、様々報道があり、勘違いされている方も多いようですので、5日の国会の委員会でもお答えいたしましたが、改めてお知らせをしたいと思います。

まず、政府では、マイナンバーカードの廃止の数について把握しております。お亡くなりになった、あるいは紛失といったことは把握しておりますが、返納理由の詳細は把握しておりません。

返納の理由として、引越を重ねたことにより、追記欄がいっぱいになって再発行のために返納した場合、あるいは、転入の届出日から90日を経過しても継続利用処理を行っていない場合、外国人の住民の方が在留期間満了前に在留期間の短縮によりカードを廃止した場合、こうした理由で返納されている、そういう区分が累計で47万件ありますが、これは今申し上げたような理由も含まれている数で自主返納の数だけではありません。47万件というのは、マイナンバーカードの制度を開始した2016年1月以降の累計の件数となっております。

紐付け誤りなどの一連の事案について、政府としても関係省庁と連携して、政府全体で総点検、再発防止を推進してまいります。一方で、マイナンバーとマイナンバーカードを混同している例もみられます。

マイナンバーは識別番号で、健康保険証情報や年金情報などに紐付けられることで、行政機関などが相互に情報照会・提供することを可能とするシステムです。また、国民の皆様からは各種証明書を取得・添付する負担がなくなったり、行政側ではコストの削減というメリットがあります。今の総点検は、このマイナンバーと各種情報との紐付けが正しく行われているかどうか確認をしているものです。この識別番号である「マイナンバー」と各種情報の紐付けは、日本国民全員に対して既に行われております。これは、本人確認のためのカードであるマイナンバーカードを持っているかどうかとは全く無関係でございます。

マイナンバーの紐付け誤りはマイナンバーカードを持っているかどうかとは関係がありません。紐付け誤りがあった場合に、カードを返納して誤りが解消するわけではありません。むしろ、自らの情報に誤りがないかどうか不安に思っていらっしゃる方は、ぜひマイナンバーカードを使ってマイナポータルにログインしていただいて、ご自身の情報が正しいかどうかご確認いただきたいと思います。

前回、暗証番号なしのマイナンバーカードについてご質問がありました。
福祉施設などのご意見を踏まえて、認知症などで暗証番号の管理に不安がある方などが安心してカードを利用できるように、また、代理交付の際の代理人の負担軽減にもつながるように、暗証番号の設定が不要なカードの申請の受付・交付を今年11月頃から開始できるように検討を進めております。

暗証番号が使えないカードですと、マイナポータルあるいは電子申請などはできませんが、顔認証による使用はできますので、これによって健康保険証としての利用ができるものとして検討しております。顔認証が使えるため、情報提供に同意いただくことで、従来の健康保険証にはない診療情報や薬剤情報の共有が可能となり、医療DXの基盤を支え、質の高い医療の提供につながるものになります。総務省とも連携して、関係団体とも緊密にコミュニケーションを取りながら、引き続きマイナンバーカードを取得するための環境整備に取り組んでまいりたいと思います。

次に、個人情報保護委員会から公金受取口座などに関する事案の対応状況の公表がありました。その中で個人情報保護委員会は公金受取口座の誤登録に関し、デジタル庁から番号法に基づく報告徴収に対する報告書を受領しており、今後、より詳細を把握する目的での番号法に基づく立入検査を検討していると記載されていると承知しております。

現時点で何か決まっていることはございません。いずれにいたしましても、デジタル庁としては個人情報保護委員会の求めに応じて適切に対応してまいります。

消費者担当大臣としてご報告いたします。

消費生活相談員、それから相談業務に関するアンケートの集計結果を昨日公表いたしました。

主な分析結果は、昨日ご紹介したとおりでございますが、骨太の方針に盛り込んだ「消費生活相談のサービス向上への体制再構築」に当たって、今後の方向性を示唆しているものと受け止めております。その観点でも、まずは相談業務のデジタル基盤を整備することが必要で、今般、消費生活相談デジタル・トランスフォーメーションアクションプラン、これについて、消費者向けFAQあるいは業務支援システムの内容をもう一段階具体化して2023年版をまとめました。

あわせて、相談員の方々の能力や経験に見合った処遇、あるいはリーダーになっていくようなキャリアパスというのも大事な課題と認識しております。そのために、デジタル化などを通じて相談員が十分に力を発揮できる環境づくり、例えば、将来的に高度で専門的な知識を有する相談員が場所を選ばず専門的な相談に対応することができるような環境を作っていくことも重要だと思います。相談支援システム、あるいは音声認識、音声入力などを活用すれば、相談員の負担軽減、相談対応の質の向上も可能になると思っております。

こうしたことを踏まえて、「消費生活相談のサービス向上への体制再構築」につきまして、次の3段階で進めていきたいと思っております。まずは、この「アクションプラン」に基づき、デジタル化の取組をできることから着実に進めていきます。次に、デジタル化のためのシステム基盤の整備、これをきっかけとした相談員の処遇やキャリアパスを含めた業務体制、業務基盤の整備を予算要求にしっかり盛り込んで具体化してまいります。さらに、デジタル化、あるいは国と地方の役割、こうしたものを踏まえて相談体制の再構築を早急に進めていきたいと思っております。この3段階の取組を進めるよう、事務方に指示いたしました。

今後、消費生活相談のDXの道筋、あるいは相談体制の再構築に向けた取組を地方自治体の皆様と共有していきたいと思っております。アクションプランの進め方、あるいは消費生活相談の方向性について、地方自治体の皆様のご意見を丁寧にお聞きしながら、相談体制の再構築を進めていきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)冒頭で個人情報保護委員会の言及ありましたけれども、改めてこの立入検査、個人情報保護委員会が事前にこうした公表をするのは異例です。それだけ事案の重大性を鑑みての公表と立入検査の検討の公表ということのようですけれども、改めて個人情報保護委員会がこのような対応をしていることについて、デジタル大臣としての受け止めをお願いします。

(答)対応状況についての公表があったということは承知しておりますが、現時点で何か決まっていることはございません。デジタル庁としては、個人情報保護委員会の求めに応じて適切に対応してまいりたいと思います。

(問)今までの一連のトラブルに関して、個人情報の漏えいの現状について、大臣はどのように捉えているのか教えてください。

(答)個人情報に関する重大な事案というものがあります。それに対して、デジタル庁としてもしっかり対応していきたいと思います。

(問)重大な事案というのは、どういったことを念頭に置かれてのことでしょうか。

(答)これまでコンビニでの誤交付、公金受取口座の誤登録、あるいは保険証の紐付け誤りといった事案が起きております。それを受けてしっかり総点検をしていきたいと思います。

(問)冒頭の相談員の体制についてお伺いします。3段階ということで、順番に相談員さんたちも実感していくということだと思うのですけども、特に3つ目の「体制の再構築」が今回の骨太の方針に含まれたということで、この部分はいつまでに具体的な着手となったり、時間軸でいうとどういう感覚のものなのでしょうか。

(答)時間軸として、この相談体制の再構築の議論はすぐに始めたいと思っておりますが、まずは地方自治体の皆様あるいは相談員の方々と今後の方向性・進め方について、我々の考え方もお示しをしながら意見交換をしっかりやっていきたいと思っております。PIO-NETの刷新といったこともあります。PIO-NETを刷新することによって、この分野でのデジタル化、更に一歩進めることができますので、そうしたことも踏まえながら、しっかり何ができるか、まず意見交換をきっちりやらせていただきたいと思っておりますので、そこのところはすぐにでもスタートしたいと思います。PIO-NETの刷新を受けて、その後、相談体制の再構築ということになると思います。特にカチッとしたスケジュールありきで進めているわけではございませんが、今回のこのアンケートの結果も踏まえ、いろいろな論点が浮かび上がってきましたので、それについて意見交換しながら取り組んでいきたいと思います。

(問)先ほどのキャリアパスや処遇改善につなげる基盤整備というのは、具体的に大臣の中でどのようなことを構想されているのでしょうか。それと、このアンケート調査がホームページ上で公表されていません。これは早急に公表していただきたいのと、まとめ方に疑問があって、この「人口3万人未満で常勤職員が一定数いる」としていますが、交付金の関係で一般の正規職員を相談員に位置付けているのではないかと思われます。この自治体名とその実態をもう一度調査して教えていただきたい。それから、一般行政職の級と号俸の区分だけしか出ていないので、実際に相談員さんがどのくらいの年収で、どのくらいの時給をもらっているのかが、すごく一般の人にはわかりにくい調査結果のまとめ方で残念に思っています。1級1号俸から15号俸というのは、時給960円以下で18%いて、2,250円以下の人が52%と半数を超えるということです。確かに専門職を2級に位置付けてくださっているところがあるということは強調されていますが、1号俸だと1,200円しかないということで、具体的に本当にその実態がどうなっているかがよくわからず、デジタルの方向に対する質問、長くなるので、今回質問が後に、また具体的に事務方の方に投げさせていただきたいとは思いますが、地域性・個別性が高くない相談は、国や国の機関で対応が期待されるという34%という数字は挙げていますが、基礎自治体とか50万以下の自治体では市町村で受けるべきという回答が一番多くなっています。その相談員の充足率が2.8%とまとめて何のコメントもないのですが、2019年以降、110人も減っていて、それで充足率2.8%というのは、大きな自治体でも土日相談を廃止したりしているような実態があるということで、このまとめ方を見ると、どっちの方向に進もうとしているのかわかりにくいという、心配を自治体で抱くのではないかと心配しています。その辺を含めてどのような方向で、どのように改善していこうと思っているのかをお教えください。

(答)公表は早急にやりたいと思います。常勤職員のところ、これは私も常勤職員がそもそも市役所・役場の方が相談をしているのか、あるいは相談員の方が常勤として雇われているのか、これはわかりにくいなと思いましたので、その辺についても少しわかりやすくしていきたいと思っております。まとめは、かなりいろいろなことがこれでわかると思っておりますので、これをベースにいろいろと意見交換をこれからしていきたいと思っております。

(問)マイナンバーカードの返納についてなのですけれども、6月末で47万枚ということがわかるのですけど、5月末でも45万枚ということがデジタル庁に伺うとそのようなで形で、少なくともトラブル発覚後1か月間で2万枚の返納があるかと思います。確かに冒頭発言でいくつか別の事例があるということはお話しされていましたけれども、大臣、率直にこの2万枚という数、かなり増えているように思うのですが、どのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

(答)住所欄がいっぱいになって再発行してもらうために返納しなければいけなかったり、あるいは転入届から90日経過して継続利用処理を行っていない場合など、引越のシーズンの後ですので、そういう返納がこれは多いというのは時期を考えると、そういうことかなと思います。

(問)特に自主返納が増えたという認識はないということでしょうか。

(答)数件から十数件になったというような報道は承知しております。全体の件数として、全国的には把握をしておりませんが、その程度の数と思っております。

(問)総点検本部の関係のことで質問なのですけれども、地方自治体を取材していると、まだ何も指示が下りてきていないというような声を聞いたりします。8月上旬までに一応中間取りまとめ報告というのをまとめるというようなお話だったと思うのですけれども、このスケジュール感について改めていつ頃までに何をどうするのかというのを具体的に少し整理して教えてください。

(答)今、各制度所管省庁と相談して、質問書というのか「こういうところをチェックしてください」というチェックシートを作って、今週、来週頭にもそれぞれの自治体にお配りいたします。まずそれに従って、これまでの紐付けの方法がどうであったか確認していただいて、マイナンバーを確実に当てていた、あるいは4情報などを確実に突き合わせしてきたというところは、個別データの点検は必要ないと思います。そこの作業が不明確であったり、マイナンバーを当てていなかったあるいは4情報を当てていなかった、というところは、個別のデータのチェックをしていただくことになります。

(問)マイナ保険証一本化の大前提である不安払拭の措置完了なのですが、大臣は現時点では世論調査、不安が残っている人のチェックはしないということなのですが、将来的に今後はやるべきだというお考えなのでしょうか。そうしないと不安が残っている人が多数いても、マイナ保険証に一本化するということになりますが、これは大臣おかしいと思われないのでしょうか。

(答)不安を払拭するための措置をこれからしっかり行ってまいります。

(問)大臣が冒頭でおっしゃった家族口座の件で教えてください。マイナポータルでも通知完了したということなのですけれども、広報の方に伺うと、eメールを登録してある方にはeメールでということだけらしいのですけれども、これが一体どのくらいの人が登録しているのかというのが非公開らしいのです。多いのか少ないのかもわからなくて、かなり意味のあることなのか、それともほとんどの人に届かないのかというのがわからないので、ここら辺もしよければの情報公開していただきたいと思うのですけれども、いかがですか。

(答)14万人の方、口座名義の方、ご両親がお子さんの分をご両親に紐付けているということが考えられますので、両方にお送りさせていただきました。インストールされたときに通知を許可としている方にはプッシュ通知が届いております。これはデフォルトが逆なのではないかなと私は思っていますので、デフォルトのチェックをしておかないといけないのかなと思っております。メールで通知をもらっている方、すみません、今の時点で私は把握をしておりませんが、全員ではないと思います。マイナポータルで通知を出すときに、なるべく多くの方に通知が来たということがわかるというのが大事だと思いますので、このやり方、マイナポータルからの通知の仕組みというのを一回洗ってみたいと思います。何かあったときにしっかりと、このマイナポータルから連絡が来たというのがわかるとするのが大事だと思います。これはメールで通知をするのとほかに画面にマイナポータルから通知が来たよというお知らせの機能もあるのですが、それがデフォルトが逆になっているのかな、だからデフォルトで通知が来るとしないといけないのかなと思っていますので、一回このマイナポータルのご連絡の仕方というのはしっかり検討してわかりやすく直していかないといけないのかなと思います。
(以上)