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河野大臣記者会見(令和5年7月4日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和5年7月4日(火)10時30分から11時00分まで 於:オンライン)

1.発言要旨

マイナンバーカード保険証についてお知らせいたします。

全ての保険者を対象にして、厚生労働省が示す留意事項と異なる方法で事務処理をしていた、つまり名前と生年月日が一致するということのみでマイナンバーと紐付けるといったことをしていなかったか、厚生労働省において、6月末を期限として点検を行ってまいりました。

全医療保険者3,411団体における点検の結果として、留意事項に沿った対応をしていないなど、データ点検を行うという回答があった保険者が全体の約9%・293団体。留意事項に沿った事務処理をしてきたかどうか確認できない部分があるため、データ点検を行うという回答があった保険者が約30%・1,010団体。留意事項に沿った対応を行っているという保険者が2,108団体でした。

データ点検を行う団体は漢字氏名・カナ氏名・生年月日・性別・住所の一致などの確認を行っていただいて、7月末までにデータ点検の結果の報告をしていただくことになっております。厚生労働省と連携して、保険者による迅速かつ正確なデータ登録の徹底に向けて取組を進めてまいります。

公金受取口座につきまして、誤登録の可能性の高い940件につきまして、6月30日(金)に簡易書留で発送いたしました。この件数は先月26日(月)時点における登録データの全件約5,600万件を対象に改めて抽出を行ったものです。

重ねてのお知らせになると思いますが、郵送物をお受け取りになった方におかれては、案内に沿ってご自身の口座に変更していただくようお願いしたいと思います。ご不明な点がある際は、郵送したご案内に専用ダイヤルの電話番号を記載しておりますので、そこにお問い合わせください。前回も申し上げましたが、この件に関する通知を装った詐欺や、個人情報の提供の求めにご注意ください。公金受取口座の登録情報の変更について、デジタル庁から金銭の支払いを求めたり、口頭で口座情報の提供を求めたりすることはございません。

また誤登録ではありませんが、ご本人ではなく、あえて家族口座などを登録したと思われる方々についても、先月30日(金)から順次マイナポータルの通知機能によって登録口座をご本人の口座に変更するようにお知らせしております。こちらにつきましては、例えば小さなお子さんの代わりにご両親が口座を登録されている事例などが考えられることから、該当者だけでなく口座名義人本人にも順次通知をする予定です。今週中に通知が完了する見込みです。

繰り返しになりますが、公金受取口座に家族の口座などご本人のものではない口座を登録している場合には、給付時に改めて本人口座を確認する必要があるなど、給付の遅れにもつながるため、ご本人の口座にぜひ登録の変更をお願いしたいと思います。

コンビニ交付サービスについてお知らせいたします。

富士通Japan社がサービスを提供している123団体の全てに対して、先週6月30日(金)中に富士通Japan社からシステム停止の申し入れを行ったと報告を受けております。実際のシステムの停止については、富士通Japan社と自治体との調整を経た上で決まることになりますが、現在36団体で停止済みまたは停止予定でございます。

富士通Japanにおいては、今回の原因が過去の修正プログラムの適用漏れであったことから、過去の全ての制度改正及び不具合修正プログラムを改めて洗い出して、全団体のシステムに対して、その適用状況を再確認する作業を実施していると承知しております。

骨太の方針2023に盛り込んだとおり、食品ロス削減目標達成に向けた施策パッケージを年末までに策定して、この中で食品の寄附、あるいは食べ残しの持ち帰りを促進するための法的措置を検討するということにしております。

食品ロス削減推進会議の体制をそのために強化して、民事基本法制を所管する法務大臣と、こども食堂などを通じて子どもを支援するという観点からこども政策担当大臣の閣僚にも加わっていただきました。これらの省庁を加え、事務局体制も強化し、関係する事業者・消費者団体・地方公共団体などのご意見を伺いながら、年末に向けて検討を加速してまいります。

先週末6月30日(金)に公表いたしました機能性表示食品2商品に対する景品表示法上の措置命令事案について、機能性表示食品として届出、公表されている情報を含め、広告などの表示を裏付ける合理的な根拠が認められなかったとの判断を景品表示法当局としてお示しいたしました。

この対象となりました2商品につきましては、措置命令の交付日に直ちに同社から撤回届出が提出されました。機能性表示制度に対する信頼が損なわれることのないよう、次のとおり対応することといたします。

まず昨日7月3日、機能性表示食品は、事前許可制度の特定保健用食品(トクホ)とは異なりますので、機能性表示食品は表示される機能については国が個別に許可しているものではなく、表示の裏付けとなる科学的根拠が合理性を欠くと認められる場合には、その表示は景品表示法に基づく虚偽誇大表示等に当たるおそれがあります。そのため既に届出、公表されている科学的根拠の再検証を随時行うよう関係事業者団体に対して文書で指導をいたしました。

また今回措置命令の対象となりました2商品と同一成分であって、科学的根拠が同一であるという他の届出につきまして、科学的根拠として疑義がある点を指摘し、届出者から合理的な回答があるかどうかの確認を昨日から個別に開始いたしました。確認対象となる届出は約90件ございます。確認の結果は準備ができ次第、その概要を皆様にお知らせいたします。今後とも事業者の自己責任で科学的根拠に基づき、食品の機能性が表示できるというこの制度の趣旨を踏まえながら、消費者の誤解を招くことのないよう、この制度の厳正かつ適切な運用を図っていきます。

2.質疑応答

(問)マイナ保険証一本化の大前提である不安払拭の措置の完了なのですが、この中に不安払拭効果のチェック・確認は含まれるんでしょうか。つまり措置完了時に何パーセント以下に不安を抱いている人が下がったという確認調査はなさるということなのでしょうか。

(答)現在ではそうしたことは考えておりません。

(問)ということは、不安払拭されなくても措置さえ完了すれば、マイナ保険証に一本化するという理解でよろしいわけですね。

(答)全ての人が不安払拭されたということではございません。

(問)何パーセントぐらいなのでしょうか。

(答)特に目途は決めておりません。

(問)数値目標を決めないで措置の完了がさも不安払拭であるかのような印象を与えて、今日の朝日新聞でも不安払拭の措置の完了抜けているじゃないですか。不安払拭が大前提という記事を朝日が出しているんですが、これはまさに国民騙しの詐欺的説明がまかり通っているということになりませんか。

(答)払拭するための措置を行うということでございます。

(問)マイナンバーカードの名称変更についてお伺いしたいと思います。昨日松野官房長官によれば、「現在政府として、名称の変更は検討していない」と述べておりますが、大臣、デジタル大臣として検討をされるお考えでしょうか。また名称変更のビジョンといいますか、大臣がなぜそれが必要だと思うのか、いいと思うか、教えてください。

(答)マイナンバーとマイナンバーカードというのはそもそも違うものですが、この「マイナンバー」、「マイナンバーカード」という名前のために世の中で混同されていることがしばしばあります。そうしたことから、この混同を直すためにも、説明をしっかりするということは大事ですが、いずれマイナンバーカードを新しいカードに移行する際に券面をどうするか、あるいは暗号をどうするのか、いろいろな議論をしますので、その中でマイナンバーカードという名前についてもどうするかというのは議論の対象になると思います。現時点で今のマイナンバーカードの名前を変えるという議論ではありません。将来的にマイナンバーカードを新しいカードにする際に名前をどうするかというのも、テーブルの上に乗せて、議論の対象になるということでございます。

(問)大臣の発言で一部からは名称変更しても現在のマイナンバーカードの問題は解消されないというご指摘もありますが、それについての受け止めもお願いいたします。

(答)これは現在の紐付け誤りの是正措置とは関係ございません。マイナンバーという制度と、これからマイナンバーカードを使ったサービスというのが世の中に出ていくときに、なるべくマイナンバーとマイナンバーカードが混同されないように世の中に伝わるのが望ましいと思っております。当面、すぐに何かということではありません。

(問)現時点で今の名前を変えるという議論はないというふうにおっしゃいましたけれども、あくまでも今後の券面刷新に向けての議論の俎上にのせるというだけであって、実際、現時点でデジタル庁としては具体的に検討している事実はないということでよろしいでしょうか。

(答)現時点で何かということではありません。

(問)先ほどマイナンバーとマイナンバーカードを混同されていることがあるということでしたけれども、どういうふうに混同されていて、実際はどうかっていうところも改めてご説明いただいてもよろしいでしょうか。

(答)マイナンバーというのは、日本に在住される1億2,000万人に全て固有の番号が振られております。情報連携の際にそのマイナンバーを使っております。マイナンバーカードというのは、個々の皆さんに申請をして取っていただいているカードのことで、このカードのICチップに内蔵されている電子証明書を活用して、マイナポータルにアクセスしていただいたり、あるいは様々な行政手続を行っていただいたり、オンラインであったり対面のときに本人確認書類として使っていただくもの、これがマイナンバーカードでございます。そこを混同している方が結構いらっしゃいますので、繰り返し説明をしていきたいと思います。

(問)数字の関係でお伺いしたいんですけど、富士通のところで、自治体停止していたり停止予定は36だったと思います。こちらの自治体名の公表というのはされるのでしょうかということと、公金受取口座という書留での通知は940件という数字があったと思うんですけど、こちらは前は740いくつだったのが、最初の数字に更新されたという理解でよろしいでしょうか。

(答)富士通Japanは各自治体と調整して34団体が停止済み、残り2団体が停止予定と聞いております。停止される自治体から、これは住民サービスの停止になりますのでアナウンスがあると承知しております。それから公金受取口座につきましては、書留を発送する直前、先月の先週26日(月)にもう一度登録データの抽出を行って940件ということでした。その940件を対象に簡易書留で発送いたしました。

(問)富士通Japanの件について、点検の内容は2019年に修正したものが本当に修正されているのかどうかの確認というところだけなんでしょうか。それとデジタル庁として、これだけ富士通関係でシステムトラブルが相次いでいる中で、行政的な指導だとかそうしたところの考え方について河野大臣の見解を伺わせください。

(答)今回起きた事案は、2019年に実際に起きている事案と同じで、その修正のプログラムというのが適用されていなかった、過去の修正プログラムの適用漏れが今回の原因だったということです。富士通Japanからは過去の全ての制度改正と不具合の修正のプログラムを改めて全部洗い出して、全ての団体のシステムに対してその適用状況を再確認する、そういう作業を実施する、その間停止の要請をしていると連絡をいただいております。今回の誤交付は富士通Japan社のシステムだけで起きておりますので、富士通Japan社のシステム、根本的な対策がいつできるのか、そうしたことを問い合わせをしているところでございます。

(問)総点検に関してお伺いしたいのですけれども、先日の関係省庁の担当者を集めた会議で、紐付けを行う機関のマニュアルの有無を大至急確認するように指示されました。情報連携を順次拡大してきた中で、これまで統一した手順がなかった要因は何だとお考えでしょうか。

(答)それぞれの制度での個人情報とマイナンバーの紐付け作業というものは、それぞれの制度を所管する省庁において、制度によっていろいろ現場の実態なども異なるということから、それぞれを踏まえて対応が行われていたということだと承知をしております。今回一連の事案発生を踏まえて、再発防止を徹底するということから、申請時にはマイナンバーを記載することを義務化すると同時に氏名・住所・性別・生年月日、こうした情報を照合する、そうした手続に横串を通して統一をする。それと人手を介さない事務処理というものに、なるべく変更できるものは変更していくということを検討していきたいと思います。

(問)マイナンバーの情報の総点検について伺いたいのですけれども、大臣、日曜日のテレビ番組で今秋までの実施について期限ありきでないような旨の発言をされました。現時点で各紐付け機関から情報集約するに当たって注意すべき点はどういうふうにご認識されてますでしょうか。

(答)マイナポータルで閲覧可能となっている全てのデータの総点検を行うことにして、7月中に各制度の現場でマイナンバーの紐付けがどのように行われてきたかという実態を把握してもらうということにしております。その内容でどういうことになるかというのが決まってきますので、個別データの点検が必要なものというのがどれぐらいあるのか、そしてそういう団体につきましては原則として秋までに点検をしてもらって、紐付けの誤りがあれば修正し、結果を公表してもらうということにしております。スケジュールは一応秋を目標にやっていただきますが、おそらく対象となるデータの量というものもあると思いますし、点検を丁寧に行うということが大事だと思いますので、スケジュールありきではなく、しっかり点検をしていただきたいと思います。

(問)冒頭の食品ロス削減のための法整備ですが、会議に法務省を加えるということでした。民法の改正など現状ではありますけど具体的にはどの法律での法整備が検討されているか教えていただけますでしょうか。

(答)民法関連の法律になるだろうと思いますが、食品を寄附していただいた後、それからレストランなどで残ったものを持ち帰った後のことについて、どういう責任があるのか、あるいは責任を免除するのかという議論になりますので、民法の関連の法律ということになるだろうと思っております。そうしたことも踏まえて、しっかりとこの会議の中で議論していただきたいと思っております。まだ、そういう方向の議論をしようということは方向としては決まっておりますが、中身についてはこれからですので、もうちょっと待っていただきたいと思いますが、年末に向けて検討を加速するということでお願いしております。

(問)冒頭発言の機能性表示食品についてお聞きします。類似の90件についても再確認するという話なんですけども、そうしている間に、消費者は購入してしまう、不利益を被る可能性もあるので、できれば何らかの方法でもっと早く商品名を公表とか何かできれば消費者にとってもありがたいかなと思うのですけど、その点難しいのでしょうか。

(答)科学的な根拠を補強するといった合理的な回答がある場合も考えられますので、現時点では公表しておりませんが、届出事業者に対しては2週間以内に報告するように求めております。対象となります90商品が機能性表示食品の要件を満たさないと、今の時点で判断するというのは難しいのかなと思っております。2週間以内に報告していただくように求めておりますので、対象となるということが明らかになりましたら、その概要は速やかに公表したいと思います。

(問)先ほど松本総務大臣の会見で、マイナンバーで認知症など暗証番号の管理が難しい人向けに暗証番号不要のマイナンバーカードというのを11月目途に申請を始めるということですけれども、河野大臣の方からもこちらの狙いだったりを教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

(答)総務省の会見で発表があったとおりだと思います。暗証番号の管理をするのが難しいような場合について発行される。おそらく何らかの機能に制限はあるんだろうというふうに思います。そうした形で多くの方にマイナンバーカード保険証として使っていただけるそういう仕組みをしっかりとこれからも検討していきます。
(以上)