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河野大臣記者会見(令和5年6月7日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和5年6月7日(水)16時00分から16時58分まで 於:オンライン)

1.発言要旨

公金受取口座の総点検を5月20日(土)から行っておりましたが、今般その結果がまとまりましたので、お知らせしたいと思います。

公金受取口座の誤登録につきましては、多くの場合、支援窓口でログアウトすることを忘れたために、次の人がそこに口座を紐付けてしまったということで同一の口座に複数の人が一つの口座に紐付けられてしまったというものです。

公金受取口座として今ご登録いただいている件数が約5,400万件ございますが、5,400万件を対象として、同一口座に複数が登録されているものを機械的に抽出した上で、誤登録の可能性が高いものを絞り込んでまいりました。

まず、同一口座に複数名義が紐付けられているものを抽出した上で、名字と住所のそれぞれが違うものを抽出いたしました。その上で、漢字・アルファベットの氏名と口座のカナ氏名を目視で点検し、本人とほぼ確実に推測される組み合わせを除外しました。絞り込みにあたりましては、住所と氏名の表記揺れ、漢字氏名とカナ氏名の照らし合わせ、アルファベットの氏名とカナ氏名の照らし合わせなどの問題があって、全て機械的に処理することができませんでしたので、最後は目視で、人の目で見て判断する作業がありましたので、総点検に時間を要することになりました。

その結果、誤登録の可能性が高いものが748件確認されました。これらの方々につきましては、個人情報保護の観点からマイナポータルからの口座情報をまず閲覧不可とさせていただくと同時に、自治体を始め行政機関への口座情報の提供を停止いたします。その上で、6月中に、郵送でその方々にその旨を通知するとともに、登録された口座情報を変更するための手続きについて、ご案内をいたします。

この対象となって、郵送物をお受け取りになった方々におかれては、お手間をおかけして大変申し訳ございませんが、ご連絡をいただく、あるいは支援窓口をご訪問いただくなどして、ご自身の口座の登録をしていただくようにお願いしたいと思います。大変申し訳なく思っております。

その他に、同一口座複数名義の抽出をしている中で、ご本人があえて、おそらくご家族ですとか、あるいは二世帯、三世帯のご家族の方、あるいは単身赴任、あるいは大学などへ行かれて別居されているご家族の口座を登録したと思われるものが約13万件確認されました。同一の住所に同じ名字で登録をされている方、おそらくこれは同居されているご家族だと思います。同じ住所で別な名字、おそらく二世帯のご家族などだと思います。それから、名字が同じで住所が違うというご家族の方と思われる方が約13万件確認されました。

おそらくお子さんの口座がないからお父さん・お母さんの口座にした、あるいは家族の口座をひとまとめにしようとされたのではないかと思いますが、自治体などが給付を行う際は、給付対象者の本人名義に振り込むことと通常しておりますので、本人名義でない口座には振り込むことができない、あるいは口座の持ち主と振込先の関係を自治体が確認をする、そうしたことで振込み・給付が遅れる場合があると思います。自治体の給付の多くは世帯主の口座に振込みが行われますが、今後世帯主でなく個人個人を対象とする給付が行われるときには、個人の口座に給付する、振込みをするということになるわけで、そうした際に、本人名義でない口座が登録されていると、この口座の確認の手間が生じて給付金の支給が遅くなってしまうということが考え得ると思います。そうしたことから、誤登録ではないもののご本人でない家族名義に登録された方に対しましては、将来の迅速な給付金の支給などの場合に備えて、登録口座をそれぞれご本人の名義の口座に変更するように、これはマイナポータルで通知をお送りしたいと思っております。ぜひ9月末までにご本人の口座に訂正をするという対応をお願いしたいと思っております。

国民の皆様におかれては、この機会にご自身の登録口座、これはマイナポータルからご確認いただけますので、万が一ご自身ではない口座、家族名義の口座も含んで、そうした口座が登録されている場合は、速やかにご自身の口座への変更をお願いしたいと思っております。

また、今回は漢字あるいはアルファベットの名前とカナの照合ができないということが根本的な課題でございました。今般の法改正によって、振り仮名が公証されるようになりますので、そのタイミングに合わせてシステム改修を行って、口座名義人の自動照合を実現していきたいと思っております。振り仮名の公証化は、施行が2025年6月ですので、それまでに実施可能な対策として、漢字氏名とカナ氏名の照合が可能な検知モデルの開発を、年内を目途に行いたいと思っております。このモデルの精度を確認した上で、登録データへの適用について検討していきたいと思います。

それぞれの給付制度では、給付の振込口座をご本人の名義のものとしておりますので、給付を行う行政機関では、公金受取口座を利用するか否かにかかわらず、本人氏名と口座名義の確認を行っております。自治体がこうした確認をする際に、本人名義ではないという場合には、デジタル庁にフィードバックしていただく、それと同時にご自身の口座の登録のし直しというような適切な対応をとっていきたいと思っております。繰り返しますが、通常の給付制度は、世帯主を対象として給付を行っておりますが、今後自治体において個人を対象とした給付を考えている場合、そうした自治体がいくつかあると聞いております、なるべく早めにデジタル庁にご連絡をいただきたいと思います。

また、これは既にお伝えしておりますが、新しい誤登録を防止するために、共用端末で口座を登録開始するときだけでなく、口座の登録完了のときにもマイナンバーカードを改めて読み込むことで、ログアウト忘れによる誤登録を防止するシステム改修にも着手しております。これは今月中に実装することを目指しております。

国民の皆様に安心して公金受取口座の登録を行っていただいて、迅速かつ確実な給付が実現できるよう、引き続き信頼の確保に取り組んでいきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)家族名義が13万件で、それ以外が748件という認識でよろしいでしょうか。

(答)まず明らかに誤登録と思われる、住所も名字も全く違っているというものが748件です。それ以外にマイナポータルであえて本人でない口座を登録されたであろうと思われるものが13万件ございます。

(問)いくつか停止する事項があるかと思うのですが、それぞれいつから閲覧不可だとか、口座情報の提供停止を行うのでしょうか。

(答)一両日中にも行いたいと思っております。

(問)748件については、全て共用端末、支援窓口で行われたとみていいのでしょうか。それとも他にも原因があったりするのですか。

(答)これはどこで登録されたというのがわかりませんが、名字も住所も違うものということで、まず748件は誤登録の可能性が高いということで、ここにはご連絡を差し上げたいと思います。

(問)根本的な原因というのが、カナ氏名と漢字氏名の食い違いというところだと思うのですが、年内を目途にそこのシステムを作るって話をしていましたが、それまでの間は新規登録の停止などは考えてでしょうか。

(答)新規登録の誤登録を防ぐためのシステムの改修を今行っておりますので、これは6月中にはリリースできると思います。既にログアウトをしっかりやってくださいというお願いはしておりますので、特に新規登録を停止することは考えておりません。またご本人がマイナポータルから登録される際には、ご本人の名義での登録をお願いしたいと思います。

(問)システム改修というのは、共用端末におけるシステム改修という認識でいいですか。

(答)これは共用端末向けなのですが、6月中にリリースするためにマイナポータルでも同じような動作をすることになります。これは共用端末でもマイナポータルを使って登録されますので、共用端末用・ご本人用と分けると時間がかかりますので、マイナポータルから公金受取口座の登録をする際には3回カードを読み込んでいただくことになります。

(問)カナ氏名と漢字氏名の照合というのは、早くても年内を目途にそうしたシステムが入るという話だと思うのですが、それだとその間に同じような形で家族名義の登録とかっていうのは防ぐことができないのではないかと思うのですが、その辺り何かデジタル庁で周知・広報するということだけなのでしょうか。

(答)家族名義で登録するのは、ご本人が意図してやられることですので、給付の際に問題になることがあるので、本人名義でお願いしますという周知・広報をしていきたいと思います。

(問)新しく漢字氏名とカナ氏名を照合するシステムを導入した場合の運用についてなんですが、これは厳しく一致しない場合は登録できないような仕組みを考えてらっしゃいますか。現状、必ずしも本人の口座ですが一致していない方もいらっしゃると思います。例えば、結婚後とか、あとは外国人の方とかです。そういうケースも含めてどのような運用を考えていらっしゃいますでしょうか。

(答)おそらく定期的にデータを洗う必要があるのではないかと思っております。その際に、機械的にまず漢字氏名とカナ氏名が合っているかということを機械で当ててみて、そこで合っていないものは、結局目視をしなければならないと思っております。この検知モデルの精度が、検知できないものは目視で対応できるくらいの精度になるかどうかが多分一番大事なことなのだと思います。不十分な精度だとおそらく数千万の中で1%と言っても数十万件出てきてしまいますので、そこまで精度の高いモデルを開発できるかどうかというところにかかってくるのかなと思います。

(問)そういたしますと登録時に一致しない場合は、登録できないような仕組みは考えていらっしゃらず、本人名義なのですが、カタカナの口座の振り仮名と、戸籍上のカタカナの振り仮名が一致しない場合も、登録は認める。ただし本人の口座であることを強く勧める。そういう趣旨でよろしいのでしょうか。

(答)おそらく振り仮名が公証されれば、カナ氏名と公証されるカナ氏名で当てるというシステム改修はできると思いますが、それまではまずこのモデルで登録されたものを機械的に調べていくことになると思います。

(問)再度確認ですが、新しいシステムが精度高くできて、運用を始めた後も一致しない場合は登録を認めないようなシステム運用は考えていらっしゃらない、それは現実的に不可能である。

(答)それは要するに、振り仮名が公証されるようになった場合に、そういうシステム改修をやりたいと思っています。そのときにはそういうシステムで、本人でない登録を排除するということができるようになるのではないかと思います。

(問)そのときに、一致しないのですが本人の口座である場合に、救済措置も考えていらっしゃるのでしょうか。

(答)おそらく口座の名義を公証の名前に直していただくなど、何らかの是正が必要になってくるのではないかと思います。そこは、まだそこまで検討しているわけではありません。

(問)誤登録の部分でお伺いしたいのですけど、今回は何自治体が何件という計算をしないという理解でよろしいでしょうか。

(答)自治体は関係しないので、自治体数はありません。748件、これはデジタル庁からご連絡を差し上げるということにいたします。

(問)誤登録についてなのですが、他人の口座が紐付いている場合は、要は本人の名前と口座名義が一致しないので、こうしたケースは給付金自体の振込みというのはされないという理解でよろしいでしょうか。

(答)はい、そのとおりです。

(問)家族口座と同様、名義が違ったら振り込まれない。

(答)ご家族と思われても名義が違う場合には、給付が行われませんので、ご本人に確認がされるか、あるいは給付が遅れるということになります。ただ、今、多くの給付は世帯主宛てですが、自治体の中には個人を対象として、個人に給付するという考えのところもあるようですので、なるべく早く家族名義に登録をされている方は、補正されることをお勧めしたいと思います。

(問)家族口座の確認の方法をもう少し詳しくお伺いしたいです。

(答)家族名義の確認は、マイナポータルでご本人が登録されておりますから、マイナポータルからご確認いただけると思います。

(問)13万件という数字をどうやってデジタル庁で洗い出したのかというところをお伺いしたいのですが。

(答)これは最初に申し上げたとおり、同一口座に複数名義が紐付いているものです。

(問)個人対象の給付になった場合、家族名義のままだと振込みが遅れるだけなのか、それとも振込みができないこともあるのか、皆様に説明するときちょっとはっきりさせたいんですけれども、この辺りいかがでしょうか。

(答)例えば、佐藤一郎さんのお子さんの佐藤二郎さんの名義に、佐藤一郎さんの口座が紐付いている場合は、自治体が佐藤二郎さんに給付しようと思って公金受取口座の名義を確認したら佐藤一郎さんになっているので、そのままそこへ給付することはできません。自治体が佐藤二郎さんに「この口座はあなたのものではないですよね」「あなたの口座を教えてください」というお問い合わせをすることになります。その際に例の10万円の給付金のように、書類をお送りして、口座番号を書いてもらって、送り返してもらうというような手法ならば、そこからまた銀行にその口座が実際に存在するかということを自治体で確認をしますので、給付が遅れます。佐藤二郎さんに給付をするときに、佐藤一郎さん名義の口座に給付するということは、おそらく自治体ではやらないのではないかと思います。これも明らかに親子であって、全く問題がないんだということが、何らかの方法で確認ができているならば、別かもしれませんが、自治体のこれまでの作業として、本人への給付は本人名義の口座で行うということでしたので、本人名義でない口座が紐付けられていると、ご本人の口座を確認するために、給付が遅れるということになります。なんらかの形で最後は給付されるということになるだろうと思いますが、給付は遅れるということになるだろうと思います。

(問)今回本人の口座の登録をお願いという形なのですけれども、そもそもですけど、本人名義の口座を登録するということは法律的な根拠が何になるのかというところを改めてお伺いしたいのですけれども、私も確認したのですが、法律上明確に本人名義でとは書いていないように見受けられるのですが、その辺りいかがでしょうか。

(答)公金受取口座登録法で、預貯金者は公的給付の支給に利用することができる一つの預金口座について登録を受けるとされて、預貯金口座は預貯金者の名義で開設されたものとされていると思います。公金受取口座登録法の第2条第6項です。「この法律において『預貯金口座』とは、金融機関の営業所又は事務所に預貯金者の名義で開設され、又は設定されている預貯金の口座又は勘定をいう」というのがございます。

(問)ということは今回もお願いということですけども、法律上もそういったところで決まっているので、ということでいいですよね。

(答)そうですね。罰則はないと思いますが、そこはお願いしております。またマイナポータルでも登録するときには、ご本人の口座を登録してくださいと何度か表示が出ると思います。

(問)今回13万件も別人の家族名義の方の登録があったわけですけれども、例えば家族の名義でも登録できるように、例えば法改正なり何なり、制度の方を変えるっていう可能性はあるんでしょうか。

(答)そこはないと思います。どういう家族関係になっているのか、DVなのか、全く別居されているのか、音信不通になっているということもあり得ますから、どういう家族関係になっているかというのは行政機関ではなかなか把握はできませんから、給付をする際にはやはりご本人名義ということにならざるを得ないと思っております。

(問)本人名義でちゃんとやってねという周知の強化の方法をまず一点、どういうふうにやるかお願いします。

(答)デジタル庁のホームページ、Twitter、その他デジタル庁のメディアは総動員したいと思っておりますし、また報道機関の皆様にもご協力をいただけたらと思います。

(問)根本的には大臣が謝られたとおり、平仮名と漢字のそういうところでシステム上に問題があったということだとは思うんですけれども、13万人の方は、ある意味法律違反ということで、言ってみれば本人責任の部分も少しあるというふうにどうしてもこの問題ではずっと思っているんですが、やはりそこは大臣の立場としては、絶対に言えないところということなんでしょうか。

(答)マイナポータルで普通に口座を登録していただくと、ご本人の名義の口座が登録されることになります。若干イレギュラーな操作が必要ですので、何らかの意図で登録をされたんだと思いますが、今回のマイナ法の法改正で、ようやく氏名の振り仮名が公証されますので、カナ氏名が合っているかどうか機械的にチェックすることができるようになりますので、この法律が施行されると、そこはシステムで対応することができるようになります。日本のデジタル化の中で多分大きな問題が3つぐらいあって、1つは認印の問題で、これはクリアしました。2つ目が、氏名の振り仮名の問題で、これは今回の法改正でやっていただきました。そうすると残るは住所の表記揺れをどうするかという問題が残るわけですが、ここについてはなかなか法改正というわけにもいきませんので、ちょっと技術的に何ができるのか、先日AIなどを活用してということを申し上げましたが、そういうことも考えていかなければいけないのかなと思っております。

(問)イレギュラーな操作のところを確認したいんですけれども、大臣がおっしゃったように子どもが口座を持ってないと、その子どもの紐付けを親の口座にしちゃうと、これはおっしゃっているイレギュラーな操作に入っているんでしょうか。

(答)はい。マイナポータルで公金受取口座を登録する手順に沿っていただくと、そういう紐付けはできないんですが、若干イレギュラーな操作で強制的にそういう登録をするということが行われたわけで、これは今のカナが公証されてない現状では、ちょっとシステムでは防げなかったということですので、ここはお手数かけて申し訳ございませんが、ご本人名義に訂正をお願いしたいと思います。

(問)数字13万件なんですけれども、数え方がまずは同じ口座が複数人というのがまず対象だと思うんですけれども、親が二つ別々の銀行に別々の口座を持っていて、自分のマイナンバーは口座Aの方に紐付けて、子どものマイナンバーは口座Bの方に紐付けた場合は、これはそもそも調査対象に入ってこないということなんでしょうか。

(答)同一口座に複数名義で抽出しておりますので、そういうケースは対象になりません。

(問)件数自体の評価をお尋ねしたいんですけれども、かなり数が多いなということもあって、二度手間になるようにも見えるんです。これから郵送でお知らせをしたりというのが。それでこの制度自体が急ぎすぎたんじゃないかとか、戸籍法の改正の整備が先だったんじゃないかとか、その辺の評価も含めて伺いたいんですけれども。

(答)郵送する748件、これは名字も住所も違う方ということで確定しておりますので月内にも対応していきたいと思っております。ご家族の名義で登録されたというのは、マイナポータルからご本人が自分の意思でやられておりますので、今回周知をして、訂正をしていただくと、おそらくこの数字はどんどん減っていくことになると思います。たまたま地番が同じで、同じ名字という方の誤登録というケースがないわけでもありませんから、きっと最後にそういうところは残るだろうと思います。どこかの段階で一度そういうチェックはして、そういう方には誤登録の是正の対応をするという手順にいきたいと思っておりますが、まずはご自身で、マイナポータルから登録の変更をお願いしたいと思います。

(問)デジタル化への障壁がまだある中でこの制度を始めて、便利になると思っていたらならなかったり、もちろん本人の責任もあるのかもしれないのですけれども、この評価の部分なのですが、急ぎすぎたのではないかなという部分はないでしょうか。

(答)むしろ振り仮名を付けてこなかった、あるいは住所の表記揺れを、これはまだちょっと法律的にも対応ができておりませんが、本来やるべきことがなされてこなかったということが、やはり日本のデジタル化の遅れに繋がったのだと思っておりますので、諸外国がコロナ禍で一気にリープフロッグしている中で、日本が歩みを止めるというわけにはいかないと思います。

(問)こういった手続きも含めて必要なプロセスだったということになるのでしょうか。

(答)はい、そう思います。

(問)乳幼児がいる親からは、子どもの銀行口座を作っていないっていう声も結構聞くのですけども、制度設計には問題はなかったという認識でしょうか。

(答)今までは世帯主の給付でしたからこうしたことは起こらなかったのですが、今いろんな自治体でも個人への給付というのが検討されている中で、やはり違う方の名義に給付するということはできませんので、いろんな金融機関が赤ちゃん向けの口座の開設のキャンペーンなどもやられておりますが、やはり必要なことだと思います。

(問)9月末までに本人口座への訂正をお願いしたいという冒頭発言がありましたが、これはマイナポイントの申し込み期限に合わせて9月末なんでしょうか。

(答)おそらくいろんな自治体の支援窓口なども9月末までは続くのだろうと思いますので、いろんな意味で、この9月末というのが一つのポイントなのかなと思っております。

(問)これまでに自治体からの報告で発表されていた15自治体・21件というのは、この誤登録748の中に含まれるのか、別で考えたほうがいいのか。そこはいかがでしょうか。

(答)おそらく含まれている可能性が高いと思いますが、これは既に訂正されている部分は入ってこないので、おそらく上がってきたものの中で、訂正が済んでいるものは、この数字には入ってないと思います。それが何件入っていて何件訂正済みかというところはわかりません。

(問)規模感に関してなんですけれども、昨年度の後半に申請が一気に増えた中で、これだけ件数が出ていると、周知ですとか運用の問題点、それからこの前大臣も謝罪されていましたけれども、庁内の情報共有が遅れたことで広がったんじゃないかというふうにも取れるのですけれども、その辺りはいかがお考えでしょうか。

(答)誤登録については大変申し訳なく思います。最初のログアウト忘れのケースがあった際に対応していれば、748件にはならなかったのかなと、そこは反省しなければならないと思います。

(問)この誤登録の可能性が高い748件というのは、自治体端末でのログアウト忘れによるものなのでしょうか。

(答)どこでというのは正確には取れません。ですから、どこで起きたかというのはわかりませんが、ログアウト忘れというものが多いと思っております。

(問)ログアウト忘れ以外の可能性として疑われるものって今把握されているのでしょうか。

(答)可能性がもしあるとすると、名字の違うご家族が別居されていてその方の名前を自分の口座に登録をしたとか、遠くにいるおばあちゃんを登録した、あるいは仲間内でスマホを借りて登録してログアウトせずに次の人がやっちゃったとか、そういう可能性はあると思います。

(問)振り仮名による照合とか、例えば家族名義の登録を防ぐシステムがないまま公金受取口座のサービスが始まって、それ自体が問題というよりも、むしろ先に公金口座の受取サービスを始めることの方が重要だったという認識なんでしょうか。

(答)公金受取口座は給付するときには本人名義の口座を確認していますということをしっかりお伝えすれば、お子さんの名前に自分の口座を紐付けようということはなかったのかなと思いますが、これはもうマイナポータルでご本人名義を登録してくださいというものを、ある面で乗り越えて登録されてしまいましたので、なるべく速やかに補正をお願いしたいと思います。

(問)ある種そういうシステム面での完璧なシステムが整う前に、制度を導入した。それはある程度必要だったという認識なのでしょうか。

(答)はい、今回の法改正でカナの突合ができるようになりましたが、住所の表記揺れを防ぐまで何もデジタルやらないのかというと、そうはいかないと思いますので、ここはやっぱりやらざるを得ないのかなと。日本だけデジタル化に背を向けるということは、この世の中できないと思います。

(問)今回のマイナンバー改正法ですけれども、年金受給者などを対象に公金口座の紐付けをするということが決まりましたけれども、今回の一連の公金口座のことを受けて、対応を変更させるとか、見直しをすることがありますでしょうか。もしありましたら教えてください。

(答)年金口座を公金受取口座に紐付けさせていただくということが最初からできていれば、こうした誤登録は起きなかったのだと思います。という意味で申し訳なく思っております。公金受取口座の紐付けはやはり年代別でみると高齢者の方の紐付けの割合が低いものですから、やはり高齢者の方にはマイナポータル経由といったデジタルではない、簡単な紐付けを提供する必要があると思いまして、今回改正法の中で、年金口座を公金受取口座に紐付けをシステム的にやらせていただくことになります。人為的なミスというのは、この部分は防げると思います。

(問)氏名の照合ができないのは運用当初からだったと思うのですが、なぜ当初から対策は考えなかったのでしょうか。当初は課題だとは考えていなかったということでしょうか。あと2点目で、家族名義などの登録が13万件に膨れ上がるというところで、ここまで膨れ上がるまで周知徹底などの対策を取ってこなかったのはなぜなのでしょうか。

(答)今回の改正法でカナの突合ができるようになりましたので、今までカナの突合ができなくて、様々困っていた部分というのはおそらく行政だけでなく民間でもあるのだろうと思いますが、この部分が施行されると、そういうところが一気に改善されていくと思います。マイナポータルで、普通にいけばご本人の名義が登録されるシステムになっておりましたが、それを意図して乗り越えて登録されてしまう人がいらっしゃいましたので、そこは申し訳ございません、手間をかけて恐縮ですが、補正していただきたいと思います。また今回、同一口座複数名義を機械的に抽出した結果、家族名義に登録されている方というのが見えてまいりましたので、今回広報させていただいております。

(問)総点検したデータはいつ時点のものでしょうか。先ほど自治体からの登録で変更されているものもあるというふうにおっしゃっていたのですけれども、いつのデータを精査したということになりますか。

(答)すいません。ちょっと今その日付、手元にありません。

(問)今回の総点検で13万件、748件が分かったと思うのですけれども、もともとデータクレンジングとか公金受取口座のデータの精査をやる予定というのはなかったのでしょうか。

(答)口座が存在しているかどうかの確認というのは、これはデジタル庁で定期的に行う予定だったということです。今後は少し中身についてもそれに加えていかなければならないと思います。

(問)中身についてデジタル庁で行う予定がなかったというのは、給付時に国税庁だったり自治体の方で分かるから、その必要がなかったという認識だったのでしょうか。

(答)システムで口座名義との突合ができませんので、全部5千何百万件の突合をするというのはおそらく想定していなかったのだと思いますが、登録された口座が実際に存在するかどうか、これはシステム的に確認ができますので、デジタル庁で行っておりました。自治体にこのデータを提供するときに自治体で最終的なご本人名義を確認して給付が行われる、そういう手順でしたが、今後はちょっとデジタル庁の中で検知モデルを使ってどこまで何ができるかというのは見ていかなければならないと思います。

(問)今後精査するときは検知モデルができた後になりますが、今回のように手作業で全部もう一度データクレンジングで精査をするということはないという理解でよいでしょうか。

(答)同一口座複数名義のものについては、しばらく定期的にあたっていく必要があると思います。

(問)マイナンバーで親の口座を紐付けてしまったというのが、国税から案件共有されたのが2月だったと思うのですけれども、それ以降、担当レベルで情報が留まっていた、と。かつ、最近においても5月24日にフォローアップチームっていうのが立ち上がり、毎日その会合を開いているというお話ありましたけれども、そこでもこの件が議題にならなかったということで、この情報共有がうまくいってなかったというのを、これは、大臣はなぜ情報共有がうまくいってなかったかと見てらっしゃいますでしょうか。例えば、マンパワーの問題なのか、組織風土の問題なのか、とかそういうことがあると思うのですけども。お聞かせください。

(答)一つはシステムに関するもので上がってくると、それはシステムで対応できるかできないかという判断で留まってしまっていた、というのがあるのではないかと思いますので、システムの改修のような要請でも、その原因になったものがイレギュラーな事象であるならば、きちんと情報共有をする、そこは徹底させていきたいと思っております。また今回の事象の場合には、それを受けた人がデジタル庁から離任されていましたので、今回の様々な問題が起きたときに、それを受けた人がデジ庁内にいなかったということで、情報を広く今、総ざらいをする中で出てきたということなのだろうと思います。

(問)これだけ問題が出てきて後手になるという事態が続きますと、先ほど、日本だけがデジタル化に背を向けるわけにはいかないというお話しありましたけども、そういった推進の文化というのが優先されて、安心・安全っていうのが置き去りになっているようにも見受けられるんですけども、安心・安全についての組織風土みたいなところは、大臣はいかがお考えでしょうか。

(答)今回様々問題がありましたが、いずれもマイナンバーあるいはマイナンバーカードの制度やシステムに起因するものではありませんでした。ヒューマンエラーというのがあって、このヒューマンエラーというのは人間が介在する以上、必ず起こります。ヒューマンエラーを起こさせないためにいかに人手を返さないでシステムで対応することができるようにするか、というのが大事なことだと思っておりますので、デジタル庁としても、もっとそこを進めていくということは大事だと思っております。また今回、法改正をしていただいた振り仮名の公証というのはシステム対応をする上でやはりこれまで日本でできなかったことが今回認めていただけましたので、これは非常に大きな一歩になると思います。

(問)システム開発のスケジュールについて、2つあるのは別システムの認識でいいですよね。

(答)そうです。公証された振り仮名を使って、口座のカナ氏名を確実に一致を見ることができますので、法律が施行されればそれで対応することができます。25年6月のそこまでの間は、振り仮名の公証がまだ施行されませんので、AIなどを使って検知モデルの精度を高めていってそれで最終的には若干、目視の部分が残るかもしれませんが、それでできるだけのところは対応していきたいと思っております。

(問)この検知モデルというのは、漢字氏名から読み方を推測させて、それで一致させるというものになるんですか。どういったものなのか少し伺えたら。

(答)技術的なものについては、またご報告をしたいと思いますが、色々と開発してもらっているところです。

(問)既存の法律の中でできるような限りで、一致できるようなモデルを作っていくっていう意味合いでいいですね、年内に。

(答)そうですね。そこで一致できなかったものについては、最後は目視で対応するということになろうかと思います。

(問)今回の誤登録とか家族登録で誤った給付が行われたっていうことはあるのでしょうか。

(答)これまでに誤給付というのは把握している限りございません。
(以上)